
ファッション通販サイト「ZOZOTOWN」を運営するZOZOの前澤友作社長が募集して話題となった100万円100人プレゼント企画で、日高川町初湯川の「歌う旅人だいさち」こと森大幸さん(25)が、ギターを手に世界を一周したいという熱い思いをリツイートし、見事当選した。「音楽は国境を超えるということを世界中で感じたい」と、10日、ロシアのウラジオストクに向けて出発する。
森さんは同町寒川出身で、美山中学校、向陽高校、大阪市立大学を卒業。大学のアコースティックギター部で音楽と出合い、弾き語りスタイルで、コブクロやオリジナル曲を演奏してきた。
海外での活動に興味を持ったのは、二十歳のときに参加したNPO主催のスリランカでの井戸造りボランティアがきっかけ。森さんがザ・ハイロウズの「日曜日よりの使者」を演奏したところ、現地の人も「シャララ~ラ♪」と一緒になってうたい、全員で笑顔になって盛り上がり、言葉の壁を越えて人をつなぐ音楽の力を実感したという。
建設機械大手、小松製作所に就職後も、ゴールデンウィークや夏休みにカンボジア、インド、フィリピンでのボランティアに参加しては、音楽で現地の人を楽しませた。数日の活動では満足できず、「音楽でみんながつながる瞬間を世界中で生み出すために世界を一周したい」と思うようになり、「こういう経験は若いときにしかできない」と、周囲の反対を押し切って会社を辞めた。
退社後は、英語力をつけるためアイルランドへ言語留学。半年間学んだあと、その足でアフリカのタンザニアへ向かい、2カ月間、現地の学校で教諭の手伝いをした。その活動中に前澤社長の100万円ツイート企画を知り、世界一周への思いをリツイートした数日後、当選のDMが届き、振り込み口座を送信すると、翌日には前澤社長の名義で振り込まれた。
100万円の当選に「とっても驚きました」と興奮。使い道については「この100万円がなくても、路上ライブで稼ぎながら世界を回るつもりでしたが、路上での収入が見込めない地域に入っていくための資金にしたい」とし、「世界一周を達成できたら、本を書き、一歩踏み出せば面白い世界があるということを多くの人に知ってもらいたい。地元日高地方の人にも勇気を与えられる存在になれれば」と夢を語る。
活動は日々、自身のブログ(https://utatabi.com/)で紹介していく。
写真=カンボジアで子どもと一緒にうたう森さん(2017年5月)