新元号前に襟正せ

 今月1日に発表された新元号「令和」。出典は日本最古の歌集「万葉集」で、「厳しい寒さのあとに、春の訪れを告げ、見事に咲き誇る梅の花のように、一人一人の日本人が、明日への希望とともに、それぞれの花を大きく咲かせることができる、そうした日本でありたい」との願いが込められた。日本にとっては戦争がなく、平和が続いた「平成」から新時代の幕開けへ。だれもが夢と希望に向かってチャンスを手にし、チャレンジできる世になることを望む。

 そんな前向きな気持ちにさせてくれる改元だが、ニュースで「おやっ」と違和感を感じる映像が流れていた。それは視聴者のだれかが投稿したのだろうか、何かに向かって群衆が押し合いへし合いしている様子。怒号も飛び交い、まるで何かの暴動やテロが起きているかのよう。画質があまりよくなかったので、昔の映像を流しているのかと思ったが、よく見れば新元号の新聞号外を配っているところだった。若者からお年寄りまでもみくちゃになり、号外を手に入れてもビリビリに破れている人がおり、中にはけが人が出たという情報もあった。

 いまどきは新元号の発表もスマホのライブ配信で見ることができたが、なぜか号外を手に入れようと目を血走らせて群がる人たち。みんながそうするから、つい自分も同じ行動を取ってしまうという集団心理が働いたのか、それとも紙ベースの情報発信が根強い人気なのか。いずれにしても「和を以って貴しと為す」との聖徳太子の思いはどこへやら、外国人からすればどのような姿に映ったのか。希望を胸に抱きつつも、いま一度、襟を正して令和を迎えたいものである。(吉)

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