電話の相手は何者?

 「御坊市内の高齢者宅に個人情報を聞き出す不審電話があり、御坊署が特殊詐欺の予兆電話として注意を呼びかけている」「御坊市で特殊詐欺の予兆とみられる不審な電話があり、御坊署が注意を呼びかけている」――これらは3年前に書いた記事。事前に現金の有無や家族構成を探る「アポ電(アポイントメント電話)」のことである。当時、警察への取材で「アポ電」のことを教わったが、「広く浸透しておらず読者に伝わらない」という理由で、「予兆」という言葉を選んで使ったのを覚えている。

 そんな電話が現金にとどまらず、命を奪う事件になった。アポ電のあとに強盗が入る事件が、東京都内で1月以降に3件発生。そのうちの1件、江東区では高齢の女性が殺害され、連日ニュースで取り上げられている。これはマンションの一室で、居住者の女性が手足を縛られて死亡していた事件。その後の捜査で、女性が「資産状況を尋ねる不審な電話を受けた」と知り合いに相談していたことが分かった。ほかの2件は渋谷区で、同様に高齢者が電話で「自宅にお金があるか」と尋ねられた数日後に強盗が入っている。

 友達の知人や同僚の親戚ら、会ったこともないが、会話のなかで聞き、名前、住所、年齢、職業、家族構成を知っている場合は多々ある。要するに電話の相手が自分のことを知っていたり、知り合いのフリをしたりしていても不思議はない。アポ電から事件に発展するケースは以前からあれど、今回のように詐欺から強盗、殺人へと凶悪化。不審な電話がかかってきたら、安易に個人情報をしゃべらないのはもちろん、犯罪を疑おう。被害を未然に防ぐため、あらためて意識を高く持ってほしい。(笑)

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