日高広域消防 人命救助の漁師5人に感謝状

 漁船から海に転落したみなべ町の男性を救助したとして、日高広域消防本部(小西威寿消防長)は14日、みなべ町や印南町の漁師5人に人命救助功労の感謝状を贈った。みなべ町埴田の埴田漁港事務所で行われた贈呈式では、助けられた男性が「九死に一生を得た。こんなにうれしいことはない」と言葉を詰まらせながら語った。

 感謝状を受けたのは、みなべ町埴田の宮﨑文三郎さん(76)、中嶋武さん(41)、森下和哉さん(21)、宮﨑盛児さん(51)、印南町島田の澤井康人さん(49)で、いずれも漁師。海に転落したのはみなべ町埴田の漁師磯崎俊夫さん(75)。全員が漁師仲間だった。

 先月27日午前7時ごろ、南部湾沖約1・2㌔の鹿島北約200㍍付近を宮﨑盛児さんが漁船で航行していたところ、操業中の船に人影が見られないことに気づき、仲間の漁師の宮﨑文三郎さんに知らせた。文三郎さんがすぐに駆けつけて確認すると、網のロープに捕まっている磯崎さんを発見。文三郎さんは他の漁師仲間に応援を依頼、盛児さんは船に乗り移って磯崎さんを海中から引き揚げて救助した。その後、駆けつけた他の漁師らと一緒になって近くの埴田漁港に帰港し、日高広域消防救急隊に引き渡し、田辺市内の病院に搬送。4日間入院したが、いまでは元気に回復した。

 磯崎さんはこの日午前1時ごろ、堺漁港を出航し、イワシの棒受け網漁を行っていた。5時半ごろに漁を終えて船内で片づけをしていたところ、波で船が揺れて海に落ちたという。転落後は何度か自力で上がろうとしたが、船まで高さがあったために上がることができなかった。海中ではロープを右手にくくり付けて流されないようにしていた。冷たい海の中での時間を強いられたが、転落から約1時間半後に救助の船が来た。

 贈呈式では小西消防長が「迅速な行動で人命を救った。時間との闘いの中で、勇気ある行動だった」とたたえ、1人ずつに感謝状を手渡した。磯崎さんは助けてくれた5人に対し、「自分の不注意で転落してしまった。寒さで体温が下がり、これ以上海の中だと、ダメだったかもしれない。救助の時に『もうちょっと頑張ってよ』という声を聞いて安心したのか、それから記憶がない。こんなうれしいことはいままでなかった。みんな本当におおきに」と感謝の気持ちを伝えた。救助した5人は「命が助かって何より。本当によかった」と笑顔で話していた。

写真=人命救助功労で感謝状を受けた5人(前列左から宮﨑文三郎さん、宮﨑盛児さん、澤井さん、中嶋さん、森下さん)

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