改元とともに必要なもの

 来月1日、新しい元号が発表される。天皇陛下の退位による代替わりは江戸時代後期の光格天皇以来約200年ぶりで、明治以降は初めて。平成への改元とは違い、新天皇の即位に向けて喜びと希望に満ちた瞬間となるだろう。

 日本は平成の30年間、一度も当事者として戦争が起こらず、年号に込められた願いの通り、国民は平和な日々を過ごすことができた。しかし、周辺国との関係に目を向ければ決して「内平外成」とはいえず、100年続いた平和は奇跡に思える。

 昭和の戦争が終わって5年後、参議院ではそれまでの一世一元が妥当なのか、講和会議を機に日本が国際社会に復帰するに際し、元号を廃止し、文明国共通の西暦に従ってはどうかという議論が起こった。

 委員会参考人の過半数が廃止に賛成するなか、吉村正早稲田大教授は「いまは国民が民族の再建ということを自覚して立たなければならない」と述べ、そのよりどころとなる元号の存続を強く主張したという。

 663年の白村江の海戦は、朝鮮半島南部の百済と交流のあった日本にとって、まさに義を見てせざるは勇なきなり戦いだった。大国唐と新羅の連合軍を相手に、5000人とも1万人ともいわれる大軍を送り込んだ。

 結果は惨敗だったが、日本は唐と新羅が攻め込んでくると考え、北九州沿岸に土塁と外濠の水城を築き、全国から集めた自衛軍の防人を配置した。戦いには敗れても他国の属国にはなるまいと、自主独立を守るために備えを急いだ。

 「義」が通じない隣国との緊張が高まり、ともに協力が欠かせぬ台湾はいまにも中国にのみこまれつつある。新たな元号とともに日本を守るため、国民の気概が問われている。(静)

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