御坊の造園業林さんがチュニジアで桜を植樹

 アフリカ北部のチュニジアの大地にソメイヨシノを咲かせる「サクラ植樹プロジェクト」の中心的役割を果たしている御坊市藤田町吉田、造園等を手がける「松樹園」の林弘一代表(63)が18日、日高振興局で活動の報告会を開いた。これまで同国内4市の6カ所に合計120本を植え、国際交流の一翼を担う林さん。今後も毎年本数を増やす計画で、「友好の桜並木をつくりたい」と意欲を見せた。

 2015年に着任したカイス・ダラジ駐日大使(18年8月に帰国)が桜に興味を持ち、「チュニジアに植栽したい」と知人の「さくらグループインターナショナル」の杉山恵子さんに相談したのがきっかけで、16年ごろからサクラプロジェクトが始動。林さんは、杉山さんの知人で田辺市の中原靖子さんから依頼を受け、桜の苗木を調達することになった。紀の川市の桃山町苗木組合から202本を確保するなど奔走し、昨年3月末にチュニジアへ送っていた。

 現地で苗木を育て、1月24日から28日にかけて現地で植樹式が行われ、日本から林さんと杉山さんの2人が参加。順調に生育した120本の苗木を首都チュニス市の日本庭園、アインドラハム市の青少年センター、タバルカ市の林業大学、ベージャ市のベージャ県庁など6カ所に植えた。

 4市ともチュニジア北部の地中海沿岸の都市で、ソメイヨシノが咲く南限とされる日本の種子島と同じような気候で生育可能だが、7・8月は雨が少なく気温も40度を超えることがあり、「この2カ月間は頻繁にメールで連絡を取り、写真で生育を見守って水やりなど教えたい」と日本から技術指導を続けることにしている。

 順調に生育すれば、来年には少し花を咲かせるという。成木になるには10年、ピークは30年~40年とされており、「6カ所の中で適地を絞って、毎年本数を増やしていきたい。少なくとも1カ所に100本ほど植えて桜並木を作り、日本のビデオを見せて花見の文化も定着できれば面白い」と夢を膨らませる。

 現地ではダラジ前駐日大使(現在は外務省関係)、日本で10年ほど滞在していた親日家のハンナシ元駐日大使の手厚いおもてなしを受け、友情を深めた林さんは今後も交流を続けることを約束。「桜は日本をイメージする代表格で、平和の象徴。日本は開発援助を行っていますが、わたしは人と人との交流で、日本、チュニジアの魅力を両国に伝えていきたい」と、民間交流を発展させていくとしている。

写真=チュニス市で植樹した林さん㊧

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