目に見えない観光をアピール
- 2019/2/2
- 日高春秋
ちょっと時期外れの話になるが、那智大社へ家族で初詣に出かけた。神社までの途中で、エビとカニの水族館、橋杭岩、那智の滝、トルコ記念館などに立ち寄り、紀南地方の観光も楽しんだ。海岸沿いのきれいな風景などもあらためて眺めると印象的で、有意義なひとときを過ごすことができた。
休みの日も取材などの仕事が入ることが多く、家族でのんびりと出かける機会は結構少ない。紀南地方はそれほど遠方というわけではないが、初めて訪れた場所もあった。各所では展示資料などを見ながら歴史的な背景なども知ることができたし、十分に旅行気分を満喫できた。ただ、より深く地元の人と交流し、その土地でしか食べることができない郷土料理を味わえたらもっと心に残った日帰り旅行になったかもしれない。
「観光」とは「観る光」と書く。名所を見に行くという意味なら「観行」という漢字になりそうだが、「行」ではなく「光」。この光には「その地域の優れたもの(特色)」という意味が込められているそうだ。きれいな景観、歴史的な建造物などがそれに当たるだろうが、人間の暮らしにも魅力や興味を感じる観光客が多いのではないか。
2日、みなべ町で南部梅林がオープンした。毎年、開園期間の1カ月程度の間に京阪神などから約3万人の観梅客が訪れる。もちろん、大半の人の目当ては咲き誇る梅の花に間違いない。しかし、それだけでなく地元の人とのふれあいを望んでいる人もいるだろう。観光客がより深く地域にダイビングできる心と心が触れ合う機会を提供してみるのも1つの方法ではないか。目で見ることができない〝観光〟をアピールする絶好の機会でもある。(雄)