頼りない人間の感覚

 新春恒例のバラエティー番組「芸能人格付けチェック2019お正月スペシャル」(朝日放送テレビ)が面白かった。有名芸能人が一流のモノ、音楽、サービス、食材を見分けられるか、2、3択にチャレンジする内容で、音楽などは視聴者も一緒に参加できるため毎年楽しみにしている。無敗の55連続的中の記録があるミュージシャンもいて、時には感心させられる。

 ことしは「ワイン」「四重奏」「味覚」「オーケストラ」「盆栽」「牛肉」の6つのチェックがあった。1本5000円と一流ホテルなら1本100万円もするワイン、総額35億円以上と初心者用などの楽器で奏でられる四重奏、最高食材の料理と普通・絶対間違えるはずのない食材の料理、プロとアマのオーケストラ、1億円とお菓子の盆栽、神戸牛とスーパーの肉をそれぞれ比べ、「一流」「最高」を選んだ。

 大御所と呼ばれ、贅沢な暮らしをしていそうな芸能人でも間違えることが多く、そこが笑いを誘うところなのだが、同時に思うのが、人間の感覚なんてものは本当に当てにならないということだ。いつもなら高級なワインや肉はそれに見合った場所やサービスの下で味わうし、音楽にしても生演奏ならそうなるだろう。スタジオという空間で、目隠しなどで一部の感覚が制限されるなどの状況の中では、よほどの人でないと、かけ離れた価値でも区別がつかないケースが出てくる。

 視、聴、嗅、味、触の五感。一つだけでは頼りない。記者の仕事をするのなら現場で聞いて、見て、調べて、体験して。全感覚を総動員するようにしなければと、あらためて肝に銘じたい。(賀)

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