紀州鉄道 枕木のコンクリート化進む

 日本一短いローカル私鉄として有名な御坊市の紀州鉄道は、昨年度からスタートさせた線路の枕木のコンクリート(PC)化が着々と進んでいる。本年度は10月中に工事が終わり、紀伊御坊から西御坊駅周辺の約500㍍区間が完了。昨年度と合わせて約880㍍となり、全体の3分の1となる33%が完成。ことし創業90周年の節目を迎え、安全で快適な地域鉄道へまた一歩前進した。

 昨年1月、湯川町小松原地内の湯川第2踏切南側で、JR御坊駅発西御坊駅行きの車両が線路から脱輪する脱線事故が発生。老朽化で脱線箇所のレールの幅が広がっていたことが原因だった。事故を教訓に再発防止へ向けて安全性を高めようと、JRなどでも導入が始まっているPC化を進めることにした。

 工事はレールに負担がかかるカーブ箇所から優先的に進めており、初年度は学生たちの利用が多い学門駅周辺の379㍍で実施。本年度は紀伊御坊駅から西御坊駅の間のカーブ個所を中心に約500㍍で施工が完了した。紀州鉄道の総延長は2・7㌔で、本年度で33%がPC化となった。

 PC化することにより、脱線の原因となるレール幅の伸縮がなくなり、乗客の安全が確保されるほか、レールとの間にゴムのクッションを入れることによって、揺れや音が軽減されるため、乗り心地も快適になるなど一石二鳥。木の枕木の耐用年数は約10年で、環境や条件によってはもっと早く傷むこともあるが、コンクリートはほとんど交換する必要がなく、将来的なランニングコストの削減につながる。現在はコンクリートと木の枕木が交互に入っている状態だが、強度が高いため木の枕木よりも間隔を広く取れ、木の枕木の交換時期が来れば取り除くだけで、新しくコンクリートを入れる必要はないという。将来的には全線でPC化する計画。

 紀州鉄道では「安心して乗車してもらうため、安全性を一層高めていきたい。ことしは90周年の節目の年でもあり、より地域に愛され、親しまれる鉄道を目指していきたい」と話している。

写真=コンクリート化が進む線路(市役所東側)

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