日高町職員が文化財保護研修

 日高町文化財研修が27日、午前と午後の部に分けて行われ、午前の部に職員43人が参加。講師に帝塚山大学文学部非常勤講師の裏直記氏(36)=志賀出身、大阪市在住=を迎えて「文化財保護活動とその目的」をテーマに講演を聴いた。

 比井地内、埋蔵文化財「天路山城跡(てんじやま・通称比井城跡)」での町道工事に関わる文化財保護法違反を受けての研修。裏氏は有形・無形文化財、伝統的建造物群、埋蔵文化財など8種類の文化財について説明した上で、同町内には比井城跡をはじめ、阿尾城跡、萩原古墳、小浦Ⅱ遺跡など67カ所にものぼる埋蔵文化財包蔵地があることを紹介。「誰かが把握しておかないと、今回のように破壊してしまう。職員一人一人が、自分の住んでいる地域に埋蔵文化財があるかどうかを知っておくだけでも違うと思う。また、現状はやぶの状態になっているが、年に1回、2回でも定期的に把握する必要があるのではないか」と指摘した。さらに「文化財は日本人の財産で、日本という国の特徴を示す唯一無二のものである。従来、我々の祖先が守り伝えてきたものをここに至って滅ぼすことのないよう、十分な配慮を持って維持管理することが大切。それらをただ収蔵、放置するのではなく、保存に支障のない手法で公開するなどの措置も講じてほしい」と呼びかけた。職員はあらためて町の文化財に対する認識を深め、今後の保護と活用を考える機会にしていた。

 裏氏は御坊市民俗文化財審議委員なども務めており、「日高地方で無音の鬼獅子は内原、志賀、小中(現在は中止)を含め11例あるが、実は全国的に見てもこの11例だけ。非常に珍しい芸能。うち土生の双頭獅子は県無形民俗文化財に指定されているが、他の鬼獅子も十分その価値がある」「池田の奴踊りは御坊祭の奴踊りよりも古いかもしれない」などと、自身の文化財研究を基にした考察も披露した。

写真=職員を前に講演する裏氏㊨

関連記事

フォトニュース

  1. 全国で金メダルを!

戦争体験者に聞く 終わらざる夏

  1. 出撃直前、さくら弾機が炎上 極秘扱いで「知られざる特攻機」とも呼ばれたさくら弾機は、直径1・6㍍、…
  2. 飛行機乗りが夢だった 1944年(昭和19)6月、日本はマリアナ沖海戦に敗れてサイパンが陥落し、絶…
  3. 激戦のフィリピンで6年 日米開戦直後の1941年(昭和16)12月22日、日本は米軍の支配下にあっ…
  4. 空襲に怯え、悲痛な思い 大戦末期、空襲に怯え、悲痛な思いをした御坊市島の竹田(旧姓=山﨑)玉枝さん…
  5. 根室空襲、艦載機が猛爆 大東亜戦争末期、制海権を失った日本は北海道まで米軍に押し込まれ、1945年…

Twitter

書籍レビュー

  1.  還暦を過ぎても精力的に新作を発表し続ける東野圭吾。木村拓哉と長澤まさみ主演で映画化もされた人気シリ…
  2.  1945年8月15日正午、天皇陛下がラジオで国民に向けて終戦の詔書を読み上げ、国民はこのいわゆる玉…
  3.  テレビで見ない日はないぐらい、ニュースを視聴者に分かりやすく解説してくれるジャーナリスト池上彰氏。…
  4.  元アニメーターで江戸川乱歩賞作家、真保裕一の「行こう!」シリーズ最新作。今年5月に文庫化されました…
  5.  今回紹介するのは2005年に発行された推理小説家石持浅海の「君の望む死に方」。前作の「扉は閉ざされ…
ページ上部へ戻る