億を稼ぐプロゲーマー
- 2018/11/15
- 日高春秋
スポーツと言えば野球にサッカー、バレーなど体を動かして汗をかくアクティブなイメージだが、近年「eスポーツ」というジャンルが出てきた。
エレクトロニックスポーツの略で、簡単に言えばテレビやパソコンなどのゲームを使った対戦。野球やサッカーなどのスポーツゲームをはじめ、シューティング、格闘、カーレース、パズルなど多彩な種目がある。本来のスポーツと違って体全体を使う競技は少なく、指先の器用さや反射神経、頭脳がものを言う。ひと昔前ならオタクと呼ばれていたような人たち。それがいまでは、大企業のスポンサーが付いて多額の優勝賞金が用意された大会に出場し、中には年収3億円を稼ぐ、eスポーツプロと呼ばれる人もいる。
先進地は韓国で、eスポーツプロは子どもたちの憧れの職業の上位にもなっているほど。プロを目指す子どもたちは、一日何時間もゲームの練習に費やし、ゲームで強くなるための塾にも通う。かつて「ゲームばかりせずに勉強しなさい」とファミコンを取り上げられたような世代にはうらやましい話で、好きなゲームだけに打ち込み、巨額の富を築くのである。
ただ、視力の極端な悪化やゲーム依存、コミュニケーション能力低下などの問題もある。しかも、プロの世界はどれも同じだが、成功するのはひと握りの人たち。中途半端な努力や才能だけでは、頂点を極められない。日本でもことし1月には、一般社団法人日本eスポーツ連合が設立され、今後、eスポーツはますます普及すると思うが、プロを目指すには相応の覚悟が必要なことを、子どもたちには知っておいてもらいたい。(吉)