ビブリオバトルで新たな出会い

 御坊市立図書館が主催して、第1回ビブリオバトル御坊大会が開かれた。バトラー(出場者)がお勧め本をプレゼンし、参加者の投票で「チャンプ本」を決める催し。中学生10人、高校生2人が出場し、若い人に人気の著者の本が多く、知っている本はほとんどなかったが、「読みたい」と思わせてくれるプレゼンばかりで大変面白かった◆チャンプ本は、中学生部門では三秋縋(みあき・すがる)著「三日間の幸福」、高校生部門では西尾維新著「りぽぐら!」。チャンプ本の発表ではなかったが、印象に残った言葉があった。「怪物はささやく」という本の発表後のディスカッションで「その本は怖いのか」との質問にこたえ、「怖いわけではない。かといって笑えるほど面白いわけでもない。感動して泣けるわけでもない。わくわくする冒険があるわけでもない。でも面白かった」◆大抵の本はそうなのだ。感動物でも冒険物でも抱腹絶倒でもホラーでもなく、それでも面白い。一言で面白さの質を説明してしまえるような、そんな分かりやすい面白さとは無縁であっても、物語の本当の生命はそんなところにはない◆本と人との関係は、それぞれ唯一無二のものである。同じ本でも違う人が読むと、当然だが違った感想を持つ。本との出会いは人との出会いに通じる。出会いが素晴らしいものであれば、それを正しく表現すれば他の人にも波及する力を持ち、さらに新しい出会いをも実現する。その実践的な試みが「ビブリオバトル」かもしれない◆12月9日には県立図書館で、各地域大会を勝ち抜いたバトラーによる和歌山大会も開かれる。ここでチャンプ本に選ばれれば、全国大会に進める。本と、それからスピーチという形の表現方法に関心のある人は、ぜひ観戦してほしい。(里)

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