「いただきます」と感謝の気持ち

 「小中学校で教員から給食の完食を指導されたことがきっかけで、不登校や体調不良になったなどの相談が昨年5月からことし9月までに延べ1000人以上が支援団体に相談を寄せていた」というニュースがネットに掲載されていた。内容は「完食指導に我慢できず、不登校となり、対人恐怖症となった」「野球部での食事指導で1年間吐き続けた」などとさまざまだという▼「食べ残しはダメ」という教育は筆者も小中学生時代に受けた。30~40年前のことだが、どこの学校も同じような指導だったのではないだろうか。食べるのが遅いクラスメートは昼休みが終わる間際まで机に座って食べさせられている光景が毎日のようにあった。筆者も鶏肉の脂身がどうしても苦手で、給食に鶏肉が入っていればがっかりした記憶がある。当時はそれが当たり前のように感じていたが、いま考えれば無理強いしてまで食べさせる必要があったのかと思う▼給食の食べ残しは残飯として廃棄されるそうだ。嫌いな物まで無理やり食べさせるという行為は避けるべきだろう。しかし、捨ててしまうことにも抵抗を感じてしまう。物が有り余っている時代だから許されるのかもしれないが、親からは「戦時中は食べる物がなくて苦労した。食べ物を大切にしなければ罰が当たる」ということをよく聞かされた。海外に目を向けても現在も8億2100万人が飢餓に苦しんでいるという。世界人口75億人に対して約9人に1人の割合だ▼食べなければ、人は生きることができない。その食に当たるのが植物や動物の命。無理強いしたり簡単に捨ててしまったりすることは、犠牲となった食材の命に感謝する「いただきます」の精神が欠けてはいないか。(雄)

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