期待のIR 課題は大きく

 年間に約400万人が訪れ、県全体で約2万人の雇用が生まれ、約3000億円の経済効果が見込まれる。これは県が誘致を進めるIRに関する試算。県の所得向上、人口増加を目的とし、仁坂知事は「このチャンスを生かさない手はない」と鼻息も荒い。

 IRはホテルやショッピングモールが一体化し、国際会議場なども整備した観光集客施設。国内外の観光客を取り込むため、主役として欠かせないのがカジノだが、ギャンブル依存症にどう対応するかが課題となっている。

 IR実施法では、日本人は1週間に3回、28日間に10回の入場制限をかけ、その確認手段としてマイナンバーカードを活用。このほか、県は独自にIRカードを発行し、チャージした現金の使い過ぎを防ぐ利用上限額を設定することなどを検討している。

 ギャンブルは大当たりすれば所持金が何倍にもなり、脳内にドーパミンが分泌され、強力な快感がもたらされる。パチンコやスロットはリーチアクションなどの演出が興奮を高め、運ではなく「自分の技で大当たりを仕留めた」と錯覚する巧みな仕掛けが恐ろしいという精神科医の指摘もある。

 負け続けても、一回の大勝ちで取り戻せる。このカタルシスがさらに快感を高め、「今日こそ…」と勝利を信じて負けを繰り返す。やがて朝から酒に手を伸ばすように、タイムカードというブレーキもきかなくなり、仕事中でも店に出入りするようになってしまう。

 このような依存症に至る要因は気質や環境などほかにもさまざまあるが、異国のカジノはどれほどパチンコに近いのか。客の負け分がIRの利益になるとはいいたくないが、海外の例をみても、大勝ちの快感はかなりのよう。対策には厳しい規制が必要だ。(静)

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