市民教養講座で金田一さんが講演

 2018年度第4回市民教養講座が27日、御坊市中央公民館で開かれた。クイズ番組等でおなじみの杏林大学外国語学部教授、金田一秀穂さんが「心地よい日本語~世界一受けたい日本語授業~」をテーマに語った。

 金田一さんはまず「御坊はいい所ですね。きょうは帰ろうと思っていたのですが、街を見てやっぱり泊まっていくことにしました。ゆっくり歩きたいと思います」と話し、観客にクイズを出すところから講演を始めた。「アボガドとアボカド、どちらが正しいか(正解=アボカド)」「『さわり』とは最初の部分か盛り上がるところか(正解=盛り上がるところ)」「ティー字路か、テイ字路か(正解=丁〈てい〉字路)」と出題し、3問全部正解した人が3人だったことを確かめて「800人の中で3人ということは、ほかの人の方が普通なわけですよ。正しい日本語なんてそんなもんです。お店で『アボガドちょうだい』『アボガドなんかありません。うちにあるのはアボカドです。あなた知らないんですか』なんて、そんなイヤミな店はつぶれてしまえばいいんです。言葉は、人と人とが心地よく過ごすためにある道具なんです。正確でも心のこもっていない言葉は美しくはない。正しいか正しくないかより、気持ちが通じることの方がずっと大切です」と訴えた。見れる、着れるなどいわゆる「ら抜き言葉」は乱れというより変化であり、「言葉は生きているのだから変化は当然」と説明。若者言葉は仲間言葉であり、TPOを心得て使えば何の問題もないとしたが、「大学の私の部屋に遊びに来た学生達が、私が『腹が減ったな』とつぶやいた瞬間『あざーす(ありがとうございます)』というのは腹が立ちますね」と笑わせた。「しかし、若者に迎合する必要はなく、気づいたことがあればどんどん言ってあげればいい。言葉の変化にはアクセルだけでなくブレーキも必要で、両方があいまって健全な言語変化が進んでいくのです」と話し、来場者は熱心に耳を傾けていた。

写真=「正しい言葉より心地よい言葉を」と金田一さん

関連記事

フォトニュース

  1. 思いやりの心を持ちましょう

写真集

戦争体験者に聞く 終わらざる夏

  1. 乳飲み子抱え上海から引き揚げ 御坊市島に暮らす98歳の嘉美(よしみ)さんは、1921年(大正1…
  2. 34年前、活字にならなかった一冊の本 活字の本として出版されることのなかった、一冊の戦争体験集…
  3. 船団護衛の海防艦で南方へ 1923年(大正12)8月19日、夏目英一さん(95)は日高郡旧野口…
  4. 千人針と250人分の寄せ書き発見 「あれ、これは何やろ」 1999年(平成11)8月、母の薫(か…
  5. 飛行兵志願も母が反対 小瀬輔造さん(89)は1930年(昭和5)1月7日、日高川町…

日高地方などのイベント情報

現在予定されているイベントはありません。

Twitter

書籍レビュー

  1.  「バイバイ、ブラックバード」を読むと、原典に当たる太宰治の「グッド・バイ」が読みたくなったので、文…
  2.  作者の生まれは明治18年。明治45年に執筆され、初版は大正10年とかなり古いですが、繊細な描写が特…
  3.  6月19日は桜桃忌。芥川龍之介の河童忌、司馬遼太郎の菜の花忌ほど有名ではありませんが、太宰治の命日…
  4.  銀行に7年間勤務した経験を持ち、「半沢直樹」「陸王」「ルーズヴェルト・ゲーム」など人気ドラマの原作…
  5.  幅が狭く、カーブが続き、前から車がくればすれ違うこともできず、一つ間違えば谷底に転落してしまう…。…
ページ上部へ戻る