変化に対応する若き起業者

 先日、和高専・次世代テクノサロン(和高専など主催)で、㈱グラフィット(和歌山市)の鳴海禎造代表取締役から「クラウドファンディング(CF)を活用した新規事業の立ち上げ例に学ぶ」をテーマに講演を聴いた。同社が開発した自転車と電動バイクのハイブリッド商品の開発資金をCFで呼びかけたところ、国内最高の1億2800万円が集まった。当初はCFサイト運営会社に相手にされなかったが、メディアを利用したPR方法などで注目を集めたことなどを話していた。

 CFはもとより、興味深かったのは鳴海代表の経歴。裕福な家庭でなかったため高校生のころからほしい服を買うために限定の服を買っては雑誌を使って販売。大学ではパソコンのパーツを購入し、自作して販売。さらに中古車販売まで手を広げ、卒業後は会社を立ち上げた。当時ではまだ先進的だったインターネットを使った販売で、さらに英語は話せないが海外にも手を広げた。リーマンショックで円高になったあとは、海外からの輸入に切り替えた。その間、銀行からの融資が受けられず、個人でサラ金から1000万円以上の借金もしたという。

 服の個人売買から始め、インターネットの普及や為替変動など、時代の変化に合わせて商売も変化させていくスタイルは面白かった。そしてさまざまな経験を通じて成長し30代という若さながら、CFで国内最高記録を樹立した。思ったことにすぐ取り掛かる行動力には、頭が下がる。さらに大阪や東京などには行かず、地元で活躍し続けるところも魅力だ。起業者が少ないといわれる日本で、ゼロから創り上げる鳴海代表の講演はとても印象的だった。日高地方の将来を担う生徒や学生向けにも講演の機会があればと思う。(城)

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