危険業務従事者叙勲 玉置氏に瑞宝双光章

 著しく危険性の高い業務において精励した人をたたえる第31回危険業務従事者叙勲の受章者が決まり、県内は元警察官や消防隊員ら28人が選ばれた。日高地方からは唯一、元御坊市消防司令長で元消防長の玉置憲一さん(64)=御坊市湯川町富安=が瑞宝双光章を受章。44年にわたり、市民の生命と財産を守る活動に尽力したことが認められた。11月に各省庁や県庁で伝達、東京で拝謁が行われる。

 玉置さんは1973年4月1日の市消防本部消防士拝命から2017年3月末で退任するまで44年にわたり、火災消火や災害対応、若手職員の育成などに取り組んだ。総務畑で、消防団とのつながりが深く、地域の防災力の強化に尽力。12年からは消防長として手腕を発揮し、15年3月末に定年退職したあとも2年間、消防長を務めるなど厚い信頼で消防防災体制を充実させた。長年の消防行政の功績により、昨年には消防庁長官から功労章が贈られている。

 長年の消防人生で思い出は数えきれないほどあるが、中でも印象深い現場や出来事は三つある。一つは消防士1年生のときに発生したスーパー「千寿堂」の火災。右も左も分かっていない新人で経験した大火に、火災の恐ろしさを痛感したことは今でもはっきりと覚えている。二つ目は95年の阪神・淡路大震災。応援部隊として現地に入ったが、建物が倒壊した壮絶な光景に絶句し、地震の怖さを思い知らされた。千寿堂火災、阪神・淡路大震災を経験したことは普段の業務にも大きな影響を受け、火災予防や消防体制の構築、地震津波対策を進める上で教訓になったという。

 三つ目は、16年8月の県消防ポンプ操法大会小型ポンプ操法の部で塩屋分団が優勝し、市消防団で初めて全国大会に出場したこと。長年の悲願を達成してくれたことは、自分のことよりもうれしかった。

 受章に「身に余る光栄。先輩、同僚、後輩に助けられ、何より妻に支えられたからこそ。素晴らしい環境で仕事をさせていただいたことに感謝しています」と笑顔。いまは下富安区の区長を務めており、「避難訓練や起震車体験など、これからも区民の防災意識が高まるような活動をしていきたい」と話している。

写真=日高地方から唯一受章の玉置さん

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