美浜リノベスクールが公開プレゼン

 美浜町の地方創生事業の一環で3日間開校した「リノベーションスクール」の最後を飾る公開プレゼンテーションが9日、福祉センターで開かれ、3つのユニットが古民家など対象物件を活用した吉原、三尾、入山のエリア再生計画を発表した。三尾の原風景を次世代につなぐ壮大なプランや、古民家の宿、松林で風呂プロジェクトなど、3ユニットとも3日間で練り上げたユニークで実践的な事業を熱く語り、これからがスタートだと強調した。

 町の「ふれあいと健康と起業のまち創生協議会」が主催。リノベーションの第一人者で㈱ブルースタジオ専務取締役の大島芳彦さんをスクールマスター、リノベーションのプロ3人を各ユニットマスターに迎え、公募で地元をはじめ全国から集まった18人が3つのユニットに分かれて実在する古民家などを活用して地域の再生計画を立てるプロジェクト。対象物件は、ユニットAが吉原公園南側松林内のグラスボックス、ユニットBが入山の古民家「椎崎邸」、ユニットCが三尾の古民家「小山邸」で、それぞれが再生プランを練り上げた。

 ユニットCは、明治初期、カナダへ旅立った人々が故郷三尾に戻り、独自の文化を築いたことや、三尾で進行中の小学5年生から高校3年生が集まって英語と歴史を学んでいる「レッツ語り部プロジェクト」を紹介した上で、地域活性化プランとして「独自の文化を次世代へと引き継ぐ、実践と滞在の拠点、MIO(ミーオ)」を提案。小山邸を拠点に宿泊、実践、食事を提供していく場とし、平常時は語学留学を目指す社会人ら、繁忙期は学生の合宿をターゲットに、三尾の豊かな自然を生かした天体観測、トレッキング、マリンスポーツSUPなどさまざまな体験プログラムを提供できる環境が整っていることを説明。「まちやど会社」を立ち上げ、オーナーから建物を借りて運営管理し、ゲストにコンテンツを提供して収入を得るシステム、資金調達はクラウドファンディングと出資者を募るとし、「ずばり三尾を次世代につないでいくことがテーマ。さまざまな体験から宿泊する人が増えて、住みたいと思ってくれる人が増えれば、働く人も増える。そしてまた人が集まってくる、そこで新しいことが生まれたり、結婚して子どもも生まれる。そうやって三尾をつないでいきたい」と熱弁。台風21号被害にも触れ、「小山邸もダメージを受けた。たくさんの民家がダメージを受けた。空き家は修理されることもないかもしれない。いまぼくたちが手を加えないと、たぶん建物はなくなって、三尾の原風景はなくなってしまう。このチャンスを生かして、三尾の景色を守りたいと本気で思っている。ぜひお手伝いをさせてください」と熱い思いを披露した。ユニットマスターたちからは「路地、港、かっこいい家があって、こんな素晴らしいお宝がこれからどうなっていくのかすごく楽しみ」など後押しする声が上がった。

 ユニットBは入山の築100年以上の古民家「椎崎邸」を宿として運営する「里山ステイNewYama」を提案。「入山の暮らしを体験してもらって、もう一度来たいと思ってもらえる人を集める宿をやりたい。そういう人を少しずつ増やしていけば、今ある問題を解決できる」と訴えた。

 ユニットAは、旧松原村を一つの大きな家と見立て、松葉が風呂の熱源として活用された歴史からグラスボックス周辺の松林を風呂と位置付け、「MATUBUROプロジェクト」を提案。エステ利用、ナイトプールにも姿を変え、グラスボックスはレンタル倉庫とショールームに活用。法人化して町から指定管理を受けて運営していくとし、スクールマスターの大島さんから「ひらめきが素晴らしい」と絶賛を受けた。

 スクールを終え、椎崎邸のオーナー山本記義さん(40)は「面白いプランを考えていただいた。参考にして進めていければ」と前向き。ユニットCのメンバー阪本琢磨さんは「短期間でメンバーの強みを結集していいものができた。これからが始まりで、プロジェクトを実行していきたいし、いけると思うので、地元の皆さんにも助けてもらいたい」と話していた。

写真=三尾でのプロジェクトを発表するユニットCのメンバー

関連記事

フォトニュース

  1. おにぎりはやっぱり梅!

戦争体験者に聞く 終わらざる夏

  1. 乳飲み子抱え上海から引き揚げ 御坊市島に暮らす98歳の嘉美(よしみ)さんは、1921年(大正1…
  2. 34年前、活字にならなかった一冊の本 活字の本として出版されることのなかった、一冊の戦争体験集…
  3. 船団護衛の海防艦で南方へ 1923年(大正12)8月19日、夏目英一さん(95)は日高郡旧野口…
  4. 千人針と250人分の寄せ書き発見 「あれ、これは何やろ」 1999年(平成11)8月、母の薫(か…
  5. 飛行兵志願も母が反対 小瀬輔造さん(89)は1930年(昭和5)1月7日、日高川町…

日高地方などのイベント情報

現在予定されているイベントはありません。

Twitter

書籍レビュー

  1.  「バイバイ、ブラックバード」を読むと、原典に当たる太宰治の「グッド・バイ」が読みたくなったので、文…
  2.  作者の生まれは明治18年。明治45年に執筆され、初版は大正10年とかなり古いですが、繊細な描写が特…
  3.  6月19日は桜桃忌。芥川龍之介の河童忌、司馬遼太郎の菜の花忌ほど有名ではありませんが、太宰治の命日…
  4.  銀行に7年間勤務した経験を持ち、「半沢直樹」「陸王」「ルーズヴェルト・ゲーム」など人気ドラマの原作…
  5.  幅が狭く、カーブが続き、前から車がくればすれ違うこともできず、一つ間違えば谷底に転落してしまう…。…
ページ上部へ戻る