県立医大病院 がん遺伝子外来開設へ

 県立医科大学は19日、10月から附属病院に新しく「がん遺伝子検査外来」を開設すると発表した。がん組織と血液を採取して複数の遺伝子変異を一度に検査・解析する方法で、患者に最適な治療法、薬の選択につながることが期待できるという。

 遺伝子の異常によって発症するがんは、患者ごとに異なる遺伝子の変異を正確に突き止めることによって、より効果的な薬や治療法を選択できる。県立医科大附属病院は「NCCオンコパネル」という腫瘍組織と血液を採取して調べる多遺伝子パネル検査システムを導入し、16歳以上で手術や抗がん剤の標準治療が終わった患者、さらに再発して保険承認された薬に効果がみられない患者らを対象に、検査を実施する。

 国は第3期がん対策推進基本計画で、このがんゲノム医療の充実を最優先課題と位置づけ、国立がん研究センター中央病院、東大医学附属病院など全国11カ所の医療機関を「がんゲノム医療中核拠点病院」に指定。和歌山県立医大附属病院はこのうちの京大附属病院を中心とする20カ所の連携病院の一つとなっている。京大附属病院の連携病院には和歌山県内から日赤和歌山医療センターも指定されているが、遺伝子検査外来の開設は県立医大附属病院の方が早く、近畿では京大附属病院に次いで2番目となる。

 遺伝子検査は患者への説明から検体の回収、解析、レポート返却のあと、京大とのミーティングを経て患者への結果の説明となり、外来受診から治療までは約1カ月かかるという。

 県立医科大呼吸器内科・腫瘍内科の山本信之教授は「この検査は重要ながんの遺伝子変異はすべて網羅しているが、なかには腎臓がんや悪性黒色腫など遺伝子変異が少ないがんもある。ただ、そういうタイプのがんは免疫療法が高い効果を得られる場合もある」と説明。山上裕機病院長は「最近は免疫療法の進歩により、完全治癒を目指せる治療も出てきている。このオンコパネル検査を使えば、そういった免疫療法が効く人と効かない人の選別もできる可能性がある」と述べた。

 がん遺伝子検査は保険適用外のため約52万円の自己負担となるが、県のがん治療を目的とした先進医療補助制度を利用すれば、約25万円の補助を受けることができる。
 がん遺伝子検査外来は毎週火・金曜の午後に開設。検査の希望、問い合わせは担当主治医、または同病院患者支援センター℡073―441―0778。

写真=がん遺伝子外来について説明する山上病院長㊥ら

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