がんの時代の生き方

 漫画家のさくらももこさん、女優の樹木希林さん、格闘家の山本徳郁さんが相次いで他界した。死因はいずれもがん。さくらさんは53歳、希林さんは75歳、山本さんは41歳で、3人の活躍をリアルに知る世代として大きな衝撃を受けた。

 ニュースがテレビ等で取り上げられるなか、先週は日高看護専門学校で骨髄移植体験者の講演を聞き、県立医科大附属病院でがん遺伝子検査の会見に参加し、日高病院のがんサロンで近く大阪で始まる最先端の重粒子線治療の話を聞いた。

 骨髄移植を経験した男性は48歳。25歳で急性リンパ性白血病になり、白血球の型が一致した妹の骨髄提供を受け、「病気よりもこれで死ぬかと思った」という5回の抗がん剤治療、1カ月の無菌室治療を乗り越え、完治した。

 男性は当初、主治医からも家族からも本当の病名は教えられなかった。当時、がんは早期を除いてほとんどが本人には告知されなかったが、いまは早期発見できれば治る時代となり、進行がんも含め基本的には本人に告知される。

 有名人もがんを公表する人が増え、以前より身近な病気になったとはいえ、まだまだがんの恐怖は大きい。告知を受けた瞬間、頭が真っ白になり、うつ状態になってしまう人もいる。考えても仕方がないと分かってはいても、思考はどうしても悪い方へ悪い方へと回る。

 希林さんは末期である自分の病状を受け入れ、残された時間の使い方、生き方を考え、最後の1年間に4本もの映画に出演した。「がんとともに生きる」覚悟を決め、前を向いて一日一日を真剣に生きた。

 2人に1人ががんになる時代。肉体は病気に勝てずとも、心が自分らしくさえあれば幸せな人生になる。希林さんにそんなことを教えられた。(静)

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