「お客さま寄り」も適度に

 大阪のラーメン店へ立ち寄ったとき、注文がこんなに面倒なのかと感じた。大学時代の友人が脱サラ、コンビニを開店させたのでお祝いに店舗を訪ね、ちょうど昼時だったため友人夫婦と一緒に食事に出かけた。席へ着いて素早く定番メニューとみられるラーメンを選び、注文を済ませ、近況報告や台風被害の話をしようと思ったのだが、店員さんがいろいろと聞いてきてなかなかそこまで進まない。質問はまず、4段階ある味の濃さ。それに2種類の麺をどれにするか。さらにセットのチャーハンはハーフか1人前か。初めて入った店であり、味、量ともどれが自分に合うか分からない状況で、「正解」を選ぶのは難しい。チャーハンはハーフにしたが、ラーメンは無難に「普通で」と定番の中の定番にした。

 その友人と大学時代、ラーメンを食べに行ったときのことを思い出した。味噌、醤油、塩など味の種類がそろっているだけでなく、トッピングが100種類以上もあった。好きなように組み合わせることができるので「日本一、種類が多いラーメン店」といわれていたと記憶する。それだけ種類が豊富だと自分の好みにぴったり合わせられるような気がするが、結局、何か面倒くささを覚え、その店にはあまり通わなかった。

 外食産業は競争が激しい。1人でも多く来店してもらえるよう「お客さま寄り」になるのは当たり前で、前出のサービスも気に入る人はたくさんいるだろう。筆者のような感覚の人間は少数派かもしれない。それでも、過剰と思えるサービスは敬遠したい。本当に求められるのは選択肢を提供することより、「これが一番」と極めた1杯を食べさせてくれることだとあらためて感じた。 (賀)

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