おもてなし日本一目指そう
- 2018/8/30
- 日高春秋
旅先での楽しみといえばご当地グルメを挙げる人が多い。そこでしか食べられない料理や名物があるというだけで、観光では大きな強みになる。しかし、せっかくおいしい料理も店員の振る舞い一つで台無しになることもある。筆者も経験したことがあるが、無愛想な態度、客に対してとは思えない言動など、いくら料理自体がおしくても、おいしいと感じられなくなるのが人間の心理。店員の客に対する思いやり、おもてなしはおいしい料理のスパイスの一つ。地元を離れて観光地に行ってみると、おもてなしの大切さが身に染みる。
御坊で開かれた経営セミナーで、講師の方が「とくに田舎では、小さな店や企業ができる差別化は店員や従業員の対応。あの店の店員さんは愛想がいいと共感されることがリピーターをつけるポイント」といわれていた。人の心を引きつけるのは、見た目、味、そして思いやりの気持ちである。人を喜ばせたいという思いがあれば見た目も味もよくなるとは少し言い過ぎかもしれないが、印象に残る重要なポイントであることは間違いない。
御坊日高に目を向けると、これ一つで人を呼び込めるというずば抜けた観光の目玉はない。実際、観光地としてのインバウンド効果はほぼないといっていい。自然やおいしい食材など魅力はたくさんあっても、インパクトのある発信は難しい。ならば「おもてなし日本一」を目指してみてはどうか。「御坊日高はどこへ行っても、みんな愛想がよくて親切で、気さく」といわれるようなまちになれば最高の観光資源となる。御坊日高博覧会の実績もある。人をもてなすことを楽しむ、そんな人がもっともっと増えれば。(片)