苦境のまちこそ応援を

 2017年度の全国の自治体が受け取ったふるさと納税の寄付額は3653億円に上り、5年連続で過去最高を更新した。都道府県別ではほとんどが前年度を上回り、和歌山県では湯浅町が49憶5100万円を受け入れ、全国6位にランクされた。

 これと同時に総務省は、地場産品以外の返礼品は送らない、返礼率は3割以内にという大臣通知に従わず、10億円以上を集めた12の自治体を公表した。1位の泉佐野市はぶっちぎり、前年度より100憶円も多い135億円を集めた。圧倒的な品数と高い返礼率が人気の理由だが、国のいうことをきかない罰としての実名公表はそのまま、お得な寄付先の一覧でもある。

 このちょっとまぬけなニュースを見て、ダウンタウンの名作コント「西日本番長地図」を思い出した。修学旅行生が集まる京都の土産屋で、名古屋、博多、高知の番長が喧嘩となり、それぞれの名物や有名人を歌にしながら殴り合っているところへ、見るからにキャラの薄い福井県の総番長、福井一郎が割って入る。

 しかし、福井は歌にのせる名物や有名人が浮かばない。「星きれい~」などとごまかすが、3人からツッコミたおされ、挙げ句に「シュワルツェネッガー福井の生まれ~」などとむちゃくちゃな嘘をいい出し、「おまえ最低やな」と吐き捨てられる。

 ふるさと納税の寄付をする側も、制度の趣旨は理解していても、いざ寄付の際には少しでも得な返礼のあるまちに傾くのは当然。勢い、コントの福井一郎のような自治体は返礼品競争に走ってしまうが、本当に応援すべき、されるべきまちはどこか。カタログショップのようなふるさと納税サイトを検索するまでもなく、いま目の前のニュースを見ればいくらでもある。(静)

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