和高専産官学支流会 黒ウコンの水耕栽培に成功

 和高専産官学技術交流会(会長=上西一永大洋化学㈱代表取締役)の総会が3日に御坊商工会館で開かれ、以前から取り組んでいるハイブリッド型水耕栽培で黒ウコンの栽培に初めて成功したことが報告された。本年度も栽培条件を変えて試験し、将来的には安定供給して新たな販路拡大につなげる考え。印南町発祥のワサビの最高品種「真妻わさび」の栽培も順調で、ハイブリッド型水耕栽培は今後ますます注目されそうだ。

 ハイブリッド型水耕栽培は、大洋化学が中心となって同技術交流会が開発したオリジナルの栽培技術。銀イオン水とLED照明で野菜を育てる方法で二段式、三段式の棚栽培が可能。空き店舗、会社や自宅の空き部屋など少ないスペースでも効率よく栽培・収穫でき、天候等にも左右されないなど大きなメリットがある。栽培キットは1基約20万円で商品化しており、販売実績は年々増えている。

 同交流会では4年前から水耕栽培による試験をスタート。これまでレタス、バジルなどさまざまな野菜の栽培に成功し、市場での付加価値も高い真妻わさびの育成にも取り組み、昨年には商品化した。並行して昨年6月からは、苗を販売している「黒ウコンジャパン」とタイアップし、ハイブリッド型水耕栽培での育成を新たにスタート。黒ウコンはメトキシフラボンを含有することからダイエット、抗糖尿病、アンチエイジング、滋養強壮、美容、美肌、消化器病改善などを目的として幅広く使用されており、医療業界からも注目されている。低温に弱い作物で、日本では沖縄で土耕栽培されているが、黒ウコンジャパンは岐阜大学と共同研究した組織培養技術を使い、京都での実験で水耕栽培に成功していた。そこでさらなる付加価値を付けるため、ハイブリッド型水耕栽培での試験をスタート。11カ月の栽培期間で、土耕と比較しても変わらない1株100㌘以上の根茎に成長し、栽培できることを実証した。土耕では収穫時期に葉が枯れるが、ハイブリッド型水耕栽培では生育が良すぎて枯れにくく、通常は不要な収穫後の葉を取り除く作業が必要となる。本年度は葉が枯れる栽培条件を選定する試験栽培を行うことにしている。将来的には栽培本数を増やし、さまざまな需要があることから黒ウコン、水耕栽培キットともに販路拡大が期待できそうだ。

 栽培に取り組んでいる同社経営企画グループの大川葵さんは「改良を加えて、黒ウコンの栽培技術を確立したい。真妻わさびは太陽光パネルの下に施設を作り、ことしから栽培基数を現在の8基から20基に増やして増産します。ワサビを使った加工食品の開発にも取り組んでいきたい」などと意欲を見せた。

写真=ハイブリッド型水耕栽培で育つ黒ウコン

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