会いたい想いが霊を呼ぶ

 記録的な暑さが続いている。これほど暑いとビールやお茶の売上も伸び、少しは景気も刺激されるのだろうが、熱中症にはくれぐれも注意が必要。夜は少しでも涼しい気分になろうと、あえて書棚の怖い本を手に取ったりする。

 有田川町本堂の五西月(さしき)小学校では8月5日から15日まで、「学校のおばけ屋敷」がオープンする。おばけ屋敷は日本の夏の風物詩でもあるが、本物の校舎を使うのは珍しく、怖さと涼しさを味わいたい方はぜひ。

 夏の怖い話といえば、かつては心霊写真が定番のネタだった。いまはそれも映像の時代となり、ユーチューブでは霊が映った動画が無数にアップされている。が、ほとんどはそれっぽく加工したもので、ほかに怖い現実の動画はいくらでもある。

 これほど見た、聞いたという人がいながら、その正体がはっきりしない幽霊とは何か。動画も写真もぼんやりと、ほんの一瞬、隅っこに映り込んだものばかりで、「ほんまにおるなら、1回でも堂々と出てきたらどやねん」という桂枝雀師匠のツッコミもおっしゃる通り。やはり存在しないのだろう。

 さはさりながら、東日本大震災後、津波で多くの人が亡くなった地域では、死んだ家族や親友の姿を見た、声を聞いた、メールが届いたという奇妙な現象があとを絶たない。遭遇した人に恐怖はまったくなく、むしろ嬉しい、成仏せずずっとそばにいてほしいとまで願う点がオカルトとは完全に異なる。少なくとも、どれも体験者にとっては事実である。

 「夢でも見たんちゃうか」と笑ってしまうのも無理はないが、絶望に打ちひしがれた人には彼岸の家族や恋人がそばにいる。たかが200年の科学。まだ説明がつかないだけなのかもしれない。(静)

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