チュニジアのダラジ大使が御坊を訪問

 御坊市藤田町吉田、造園等を手がける松樹園の林弘一代表が、チュニジアにソメイヨシノの苗木を寄贈するプロジェクトの中心的役割を果たしたことがきっかけとなり、17日にカイス・ダラジ駐日チュニジア共和国大使館特命全権大使が御坊を初訪問した。北吉田の舞妃蓮の郷はす公園で記念植樹を行い、今後も交流を続けることを約束。サクラから始まった民間交流が、国と県の国際交流に発展する大きな機会となった。

 2015年に着任したダラジ駐日大使はサクラに強い興味を持ち、2年ほど前から「ぜひチュニジアに植栽したい」と知人である東京の「さくらインターナショナルグループ」代表の杉山敬子さんに相談。杉山さんは苗木等の調達方法などを古くからの知人である田辺市の中原靖子さん(73)に相談した。中原さんは数年前、田辺市の気絶峡にライオンズクラブがサクラを植樹した地方新聞の記事で、御坊市の松樹園が携わっていたことを覚えていたことから、林代表に依頼することにした。

 林代表は突然の依頼を快諾。植栽についての技術的なアドバイスをしたり、苗木を豊富に生産している紀の川市の桃山町苗木組合に連絡して約200本を調達するなど奔走した。1年前は書類の不備で送れず、ことし3月末、2年越しでチュニジアへの移送が実現した。8月にはチュニジアの技術者が来県し、林代表らの指導で栽培技術を学ぶことになっている。植樹は気候的に12月から来年2月の間で行う予定で、林代表も現地に赴くことを検討している。

 林代表や杉山さんらの献身的な取り組みに感激したダラジ大使は、チュニジアと和歌山県の交流を深めたいと17日に来県し、午前中に仁坂吉伸知事を表敬訪問。ダラジ大使が「御坊へ行きたい」と希望したことから、来坊が実現した。林代表や日高振興局職員らの案内で道成寺を見学したあと、舞妃蓮の郷はす公園へ。地域住民ら約50人がチュニジアの小旗を振って歓迎し、日本てまりの会教授の宮原浩子さん(吉田)が手作りした、サクラの柄を施した紀州てまりをプレゼントした。北吉田蓮保存会の佐竹成公会長が舞妃蓮を説明し、公園の一角にアオダモとナツツバキを1本ずつ、ダラジ大使と杉山さんが植樹した。ダラジ大使は「皆さんの温かいおもてなしに感動しました。このように住民の皆さんと触れ合えたことをチュニジアのみんなに伝えたい」と感謝し、「林さんや杉山さんのサクラプロジェクトに感謝しています。きょう、たくさんの新しい友達ができましたので、友好をこれからも長く続けていきたい」とあいさつした。佐竹会長は「大使が民間の公園に来てくださるなんてまずないことで、植樹までしていただいて大変光栄。地域の発展につなげていきたい」。林代表は「民間主体で進めたことが、このように大きく発展し、地元の皆さんと触れ合ってもらえたことがうれしいです」と笑顔で話していた。

写真=はす公園で記念植樹する林代表、ダラジ大使、佐竹会長、杉山さん(右から)

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