和歌山未来塾 先端研所長の神﨑氏が講演

 県教育委員会主催の「高校生のための和歌山未来塾」が17日、御坊商工会館で開かれた。講師は東大先端科学技術研究センター(先端研)所長を務める神﨑亮平氏(61)。神﨑氏は昆虫科学とロボット工学が拓く未来の可能性を分かりやすく示し、生徒たちには「夢が見つかるまで頑張り、夢が見つかればそれを恐れず実現させよう」と語りかけ、自分を信じて行動することの大切さを訴えた。
 和歌山未来塾は、科学技術等への探究心を育て、国際社会で豊かに生きる力を身につけてもらおうと、各分野の第一線で活躍しているオピニオンリーダーを招く教育講演会。今回は日高、紀央館、耐久、智辯和歌山の4校から1・2年生約220人が参加した。
 講師の神﨑氏は旧高野口町(現橋本市)出身で、智辯学園中学・高校(奈良)を卒業、筑波大大学院生物化学研究科博士課程を修了し、現在は東大大学院情報理工学系研究科教授、先端研教授、同所長を務め、カイコガのフェロモン源探索行動やスーパーコンピュータによる大規模脳シミュレーションの研究で知られている。
 神﨑氏は昆虫(複眼)の不思議な視覚について、ヒトには見えない紫外線が見え、ミツバチは太陽の位置が分かる偏光を正確にとらえて1秒間に310回もの光の点滅を認識できることを説明。「これにより、蜜のある場所や巣の方向が分かるため迷子にならず、目の前の光景がヒトよりゆっくり見えるため、時間の感覚がヒトとは異なる」と解説した。
 また、昆虫の持つ犬並みの嗅覚が人間社会に役立つ可能性も紹介。カイコガのオスはメスのにおい(フェロモン)をキャッチすると羽をばたつかせて動き回り、メスに近づく習性があり、これを基に麻薬など特定のにおいに反応する脳神経の仕組みをつくれば、犬にかわる「警察昆虫」をつくることができると説明。さらに、その神経回路モデルで行動を制御するロボットもすでに開発済みで、近い将来、昆虫の脳を再現したロボットが防犯や災害、医療の分野で活躍する未来を展望した。
 生徒たちには、学校の勉強は夢をかなえるための手段であり、目的ではないこと、自分の得意技を生かすことで周囲が見えてくると強調。「まずはいろんな人がいろんな研究をしている大学への進学を目指し、自分の夢が何か分かるまで頑張ろう。そして、それが分かればそれを恐れず、実現できるよう努力しよう」と呼びかけた。

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