千里の浜にウミガメ館がオープン

 本州最大のアカウミガメの産卵地、みなべ町山内の千里の浜の近くにウミガメの調査研究や保護活動の拠点施設「みなべ町千里ウミガメ館」が完成。1日に現地で竣工式が行われ、関係者ら約20人がテープカットなどで祝った。施設は鉄骨平屋約200平方㍍で、展示室や宿泊室などを設けた。千里の浜ではすでに産卵が始まっており、調査団体等の活動の充実が期待される。
 老朽化の進んでいた施設を解体して建て替えた。施設内にはウミガメの生態などを説明したパネルがある展示室、調査員らが寝泊まりできる和室、調理室などを設けた。今後はウミガメ保護活動の拠点とするほかふるさと学習などにも活用する。展示室は基本的に午前9時から午後5時まで開放し、自由に出入りできる。観察者らが多い産卵シーズン中の6~8月ごろまでは待機場所としても活用することもある。国の地方創生拠点整備交付金(4003万円)を活用し、事業費は8263万円。
 竣工式では小谷芳正町長があいさつし、「ウミガメが嫌う光が外に漏れないようにつくった。ウミガメが上陸しない時にはビデオ観賞するなど、いろんな形で利用できるようにしていきたい」と述べた。町議会の竹本栄次議長は「保護活動はもとより、自然や命の大切さを学ぶ拠点として活用してもらいたい」と祝辞した。日本ウミガメ協議会の松沢慶将会長は千里のウミガメが地元の自然や住民らによって守られてきたことを紹介したうえで、「施設を利用してウミガメを観察し、自然を思う人たちがたくさん育っていくことを期待する」と語った。
 このあとテープカットで完成を祝い、式終了後には施設内の見学も行われた。長年にわたって調査活動に携わってきた東吉田の後藤清さん(90)は「立派な施設ができた。今後は若い人が調査を引き継いでくれる」と話し、みなべウミガメ研究班の尾田賢治会長(37)は「このきれいな建物を活用して、ことしもボランティアの学生たちと一緒に調査していきたい」と施設の充実を喜んでいた。
 ことしのウミガメの産卵は先月25日に初確認された。今月中旬から7月にかけてピークとなり、8月上旬ごろまで続く。昨年は上陸271回、うち産卵は127回だった。
 観察には許可が必要で、詳しい問い合わせは町教委℡0739743134。

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