スローフードの梅を楽しもう

 日高地方特産の梅が収穫シーズンを迎えた。日本一の産地のみなべ町では、これから6月末ごろまで最も忙しい農繁期に入る。昨年は5月の雨不足で実太りが進まず収量が伸び悩んだが、ことしは雨も多く順調のようだ。しかし、収量は今後の天候などにも左右されるため、予断が許されない。農家がよく言う「採ってみなければ分からない」ということだろう▼梅は生では食べられず、加工が必要となる。だから一手間をかけて自然から恵みをいただくことができる。大家族で生活していた昔は、どこの家庭でもおばあちゃんやお母さんが梅を漬けて梅干しとして味わった。しかし、いまは核家族が増えて両親共稼ぎという家庭が多い。時間をかけて漬けるくらいなら買った方が手っ取り早いということになるのだろう。加えてマンション暮らしが多い都心部では、梅を漬ける大きな容器を置いたり大量の梅を天日干ししたりする場所を確保するのも難しい▼そこで紀州梅の会が提案しているのは、ストックバッグ(保存用ポリ袋)を利用した梅干しづくり。青梅と塩を入れて密封し、石などの重しはペットボトルに水を入れて代用するという方法。ストックバッグLサイズで1㌔程度の青梅を漬けることができる。初期投資がほとんどかからず、袋の中の空気を簡単に抜くことができ、カビの発生を抑えられる利点もある▼数年前に「スローフード」という言葉がよく使われた。食文化を見直し、伝統的な食材や料理を継承しようという発想から生まれた言葉で、そういう意味では梅は代表的なスローフードといえる。梅干しはスーパーで買う人も多いと思うが、ことしは地元で収穫された梅を使って加工を楽しみ、梅干しを家族で味わってみてはいかがだろう。  (雄)

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