自転車の魅力再発見

 小学3年生の時まで自転車に乗れず、友達と遊びに行く時には鈍足ながら懸命に走ってついていったものだ。初めて乗れるようになった時はうれしくて、友達と「川をどこまでもさかのぼろう」と西川の土手を上流へ向かってペダルをこいだ。吉原から入山までわずかな距離だが、8歳児には大きな出来事だった。風に吹かれ、青い空と輝く緑がとてもきれいだったのを覚えている◆「文化じかけのオレンジ」主催のおんぱくイベント「自転車の魅力発信」を取材した。日高地方の自転車チームリーダーが講演。メンバーも自転車との出会いなどについて語ってくれた。御坊日高の美しい風景の映像を見ながら話を聞くうち、もう何十年も味わったことのない、自転車で走る感覚を思い出した。徒歩にはない爽快なスピード感、車では感じられない生き生きした自然との距離の近さ。山が海の近くまで迫っている日高地方はヒルクライム競技に向いた絶好の高低差があり、海の風景・山の風景が楽しめるロケーションに恵まれているのだという◆全国的に自転車はブームとなっており、火付け役の「弱虫ペダル」という漫画作品がある。スポーツ漫画なのに、主人公は運動が苦手なメガネがトレードマークのアニメファン。成り行きで自転車部に入り、真面目で純粋な性格と友達を思う心で頑張って力を発揮する。自転車という競技に「すぐれた運動神経を必要としない」という特徴があるからこその展開。競技の裾野を広げやすいとも言える◆講演で、チームの皆さんは仲間と走る楽しさなどについても語ってくれた。うまく情報発信できれば、当地方の潜在的魅力を引き出せるのかもしれないと、煙樹ケ浜沿いを自転車で走った中高生時代など思い出しながら考えていた。   (里)

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