日赤がリードレスペースメーカー治療を導入

 日本赤十字社和歌山医療センター(和歌山市小松原通)は徐脈性の不整脈治療に世界最小のカプセル型リードレスペースメーカーを導入し、今月18日、県内で初めてとなる心臓への埋め込み手術を成功させた。従来の左胸上部に埋め込むタイプに比べて体の違和感がなく、皮膚の感染症などのトラブルも解消。傷痕も残らないことから、患者の心身のストレスが大きく軽減されるという。
 人間の心臓は、1分間に60~80回の収縮を規則的に行っているのが正常な状態。この範囲を超えて心臓の拍動が速くなると頻脈性不整脈、50回以下まで遅くなると徐脈性不整脈といわれ、徐脈性は悪化すれば息苦しさを感じたり、失神や突然死を引き起こすこともある。
 徐脈性不整脈の治療は薬が多いが、高齢の患者や症状が重い場合は、脈拍を正常に保つため補助的に電気信号を送るペースメーカーという小型の医療機器を体内に埋め込む。従来は約50㍉×50㍉(厚さ約8㍉)の本体を左の鎖骨下付近に埋め込み、そこから長さ30~40㌢の電線を心臓の患部につなぐリード付きのタイプが主流だった。
 今回、日赤が導入したのは、昨年9月に保険適用となった最新のリードのないカプセル型タイプ。大きさは直径約7㍉、長さは26㍉と格段に小さくなり、電池と電極が一体となったこの本体をカテーテルで直接、心臓内部の底に固定する。手術は足の付け根の血管からカテーテルを挿入して行うため、胸を切開して本体を埋め込み、リードを接続していた従来のタイプより時間が大幅に短縮。1~2時間で終了する。患者は麻酔で眠っている間に手術が終わり、目が覚めても体の痛みはまったくなく、1週間程度だった入院期間も1日か2日で済むという。
 リードレスペースメーカーは、本体を心臓内部に埋め込むため、従来は避けられなかった本体埋め込み部の違和感がなく、皮膚の感染症やリードが外れてしまったりするトラブルも解消。さらに、胸に傷痕が残らないことから、患者の心身のストレス軽減につながる。
 日赤和歌山は今月18日、県内で初めてとなる手術を70代の女性、25日には2例目の手術を90代の男性に行い、いずれも経過は順調。国内外で3000件以上のペースメーカー手術経験を持つ循環器内科部の花澤康司副部長(42)は、「従来のタイプは異物感があるため、患者さんは肩こりや頭痛に悩まされたり、無意識に首が傾き、歩き方まで変わってしまう方もいます。また、傷痕に関しては、女性の患者さんは人前で着替えができないという方もいましたが、少しでも日常生活の心身の苦痛をなくすという意味において、このリードレスタイプは極めていい治療法だと思います」と話している。

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