地域の活性化は「わわく」から

 田辺市龍神村甲斐ノ川で、そば専門店「和わく」が5月12日にオープンする。経営するのは、同村で地域おこしに取り組んでいる「NPOええとこねっと龍神村」(後藤昇理事長)。店舗は元甲斐ノ川保育所を改築して利用する。ソバは休耕田を活用してメンバーが栽培。昨年は約1万2000平方㍍の畑から約500㌔が収穫された。保育所の遊具なども活用し、住民らが集まるコミュニティの場を提供する狙いもある▼全国的に少子高齢化は大きな問題。特に地方にとっては難題といえる。高齢化の影響としては、労働力不足で農地を耕作することができず荒地が増え、イノシシやシカなど野生動物の棲みかとなり、農作物被害につながっている。少子化については、保育所や学校の統廃合が急ピッチで行われ、施設の跡地利用が進まず放置されている場合もある。取り壊すとなると高額な解体費が必要。今回のそば専門店は、この2つの問題に取り組んだ形だ▼地方に限らず、都心部、職場や家庭でも常に問題は起こる。いつの時代でも、人間が生きている上で大なり小なりさまざまな困難がある。言うまでもないが、それを解決するためにはまず話し合って知恵を出し合うこと。唯一、地球上の生物で人間だけができる行為でもある▼そば専門店の名「和わく」は、龍神の方言「わわく」に由来。「集まって話をする」という意味。「一緒にわわこら」という使い方をするそうだ。NPOええとこねっと龍神村の後藤理事長は「高齢者の交通手段も問題。そば店が軌道に乗ればこの問題にも取り組みたい」という。メンバーや地元の住民らが〝わわく〟ことから解決への道へとつながる。そして、地域の活性化に向かってまた一歩前進することだろう。      (雄)

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