黒潮の大蛇行の影響か紀南の漁業不振

 黒潮が蛇行して紀伊半島から離れている影響で、みなべ町など紀南地方で漁業に影響が出ている。低水温や潮の流れが関係しているとみられ、紀州日高漁協協同組合南部町支所管内などでもサバやイワシの巻き網漁による水揚げが低調。カツオ漁についても魚場が遠くなり、本場のすさみ町ではいまのところ水揚げがないという。
 昨年9月29日、気象庁が「8月下旬から、黒潮が紀伊半島から東海沖で大きく離岸して流れている状態が続いている。12年ぶりの大蛇行とみられる」と発表した。宮崎県の都井岬南東沖で小蛇行が形成され、東へ進むに連れて徐々に拡大。その後も通常の流れに戻る兆候はみられず、今月8日現在、潮岬から約80マイル(約148㌔)の沖合を流れているという。黒潮が接岸している時は20マイル(約37㌔)以内で、現在は大きく南を流れていることになる。原因については詳しく分かっておらず、終息時期も明確に予想できないという。気象庁によると、過去50年間で黒潮大蛇行は5回観測されている。
 漁業への影響としては、サバ、アジ、イワシなどが対象となる巻き網漁では潮の流れなどが支障を来たしているとみられ、低調な状態が続いている。みなべ町の漁師は「黒潮が離岸して温かい水が紀伊水道に入ってこなくなると、潮に乗ってやってくる魚も来ない」と話している。カツオについても、魚場が黒潮付近となるため、遠くまで漁に行きづらくなるという。和歌山南漁業協同組合すさみ支所は「例年だとカツオが水揚げされている時期だが、ことしは正月から1本もない。魚場が遠いうえ、行っても確実に獲れる保障もない。4~5月ごろが最盛期だが、今後については黒潮の流れ次第ではないか」と話している。黒潮蛇行の影響としてはそのほかにも、例年以上に海水温が低下し、冬場に熱帯系の魚やサンゴが死ぬという現象もみられた。

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