体を使って〝生きた知識〟を得る

 ニュースを見ていると、地域学習でちょっと面白い話題が紹介されていた。広島県で、「県民の99%が特産品のカキを漢字で書けない」という事態への対策がなされているという◆「牡蠣」と正しく書けたのは、番組の街頭調査では30人中1人。0人でも不思議はない難しさだが、県は対策に乗り出し、書き取り帳ならぬ「牡蠣とり帳」というドリルをつくって小学校に配布。効果は絶大で、自分の手を動かして書くことで知識が効果的に身につくことを証明した◆先日、「ふるさとわかやま学習大賞」で御坊市内2中学校の各グループが奨励賞を受賞した。近く特集ページで内容を紹介するため、作品の写真資料を熟読している。リーフレット部門では御坊中2年生の「防衛を強化した寺内町~横町・中町~」。寺内町会館、旧中川邸などに足を運び取材した成果がカラフルにまとめられ、クイズで読む人に楽しんでもらおうというサービス精神も盛り込まれる。「敵から身を守るために道をくいちがわせて見通しを悪くした」など筆者も知らなかった知識が満載で勉強になる。模造紙部門では、湯川中1年の「湯川の文化と歴史」。模造紙いっぱいに湯川町のマップが書かれ、その上にフィールドワークで各所を歩いた写真、ポイントの解説がびっしりと、しかも見やすく配置されている。伝統食文化の体験として熟(な)れ寿司と金山寺味噌の食リポートまでついている充実ぶりだ◆調べ物はネットで何でも間に合ってしまう時代だが、だからこそ足を運び、五感を駆使し、頭と手を使って自分のものにした「生きた知識」には格別の価値がある。ふるさとのことを自信もって語れる人は、きっと大人になって他郷に出た時にも信頼という宝を得ることができるだろう。(里)

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