作家浜本さんが小説「Tengu 天狗」を上梓

 400年前の由良町を舞台に、「天狗が興国寺を建てた」という伝説の真相を大胆に解釈した小説「Tengu 天狗」が出版された。著者は、サラリーマン作家として活躍する大阪出身の浜本龍蔵さん(57)。大航海時代のヨーロッパと戦国時代の日本を結ぶ、スケールの大きな冒険物語となっている。インターネット等で取り扱われている。
 浜本さんは龍谷大学経済学部卒業。元トランポリン高校日本代表で、大学卒業後は体操インストラクターとしてジムのヘッドコーチを務め、渡米して活動。帰国後は貿易商社に勤務し、仕事でアジア、ヨーロッパを歴訪。現在は大手損保会社に勤務しながら執筆している。これまでに恋愛小説「火曜日に落ちる雨達へ」「永遠の左側」などの著書がある。
 本書は16世紀末、大航海時代のロンドンと戦国時代の日本を結ぶスケールの大きな長編小説。口のきけない少女小春はある日、白崎海岸に見慣れない大きな人間が打ち上げられているのを見つける。父の吾作は「こりゃあ天狗様じゃ」と驚き、面倒が起こらないよう村人達の目からは隠してかくまう。その正体はイギリス人の若者セバスチャン・コーウェル。富豪の令嬢と禁じられた恋に落ち、駆け落ちするつもりで家を飛び出したが令嬢とは引き離され、親友のレオナルドと共にアジアを目指す船に乗り込んだ。過酷な航海で乗組員のほとんどが命を失い、セバスチャンも嵐の海に放り出され、やがて白崎に流れ着いたのだった。小春と吾作親子に介抱されて健康を取り戻し、炭焼きの吾作を助けて働くようになったセバスチャン。やがて小春と心を通じ合わせ、彼を見つけた村人達からも「天狗様」と敬われるようになり…。
 セバスチャン青年の波乱万丈の冒険を通じて、当時のヨーロッパの社会状況についても克明に描かれる。興国寺については、秀吉の紀州征伐で荒れ果てた興国寺を、当時の藩主浅野幸長が再建立するよう命を出して近隣の大工たちが集められる描写がある。セバスチャンとは違うルートで日本入りしたレオナルドの行動を通じて日本の仏教文化についても触れており、読み応えのある一冊。由良町が重要な舞台となっていることから、全国へのPR効果も期待される。ルネッサンス・アイから発行。347㌻、定価1500円(税別)。

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