運に恵まれた一年に
- 2018/1/10
- 日高春秋
正月の初詣で、神様にお願いする手順で迷った。「2礼2拍手1礼」とよくいわれるが、どのタイミングで願いを伝えればいいのかということ。「そんなことも知らなかったのか」と言われるかもしれないが、すぐにインターネットで調べてみると、2礼2拍手のあとが一般的のようだ。昨年が無事に過ごせたことに対する感謝の気持ちを報告することも大事だとか。そして、最後に1礼する。
神様へのお願いは、日頃の行いがうまく進むようにという手助けを求めること。そういう力が本当にあるのかはわからないが、これが勝負事になると「つき」という言葉になる。「きょうはついていたから勝てた」「つきがなかったから負けた」というのはよく聞く話。マージャンで例えると、1局でアガリとなるのは4人の中の1人だが、特定の人が続けて上がってしまうというケースがある。仮に5連荘する確率は4の5乗で1024分の1となり、限りなくゼロに近づく。しかし、こういうことが現実に起こってしまうのが「つき」の影響か。
経営者だった松下幸之助は、面接の最後に「あなたは運がいいですか?」と質問したそうだ。「運がよかった」と答えた人は、「自分だけの努力で成り上がった」と思い込んでいないという。人に恵まれてきたという自覚があるから、社会に対しても恩返しなければならないという気持ちを持ち合わせる。逆に「運が悪かった」と答えた人は、失敗した場合に自分の能力が劣るのだとは思わず、「運が悪いから仕方ない」と片付けてしまう傾向にあるという。だから成績が優秀でも不採用としたそうだ。
戌年の新しい年が始まった。ことしも読者の皆さんが運に恵まれた良い一年が過ごせますように。 (雄)