正月のテレビで情熱を見る

 年末年始の休みで、普段あまり見ないテレビ番組を見る機会に恵まれた。そんな中で思わぬ収穫を得た◆まずNHK―Eテレの科学番組「昆虫すごいぜ」。筆者の好きな歌舞伎役者2代目市川猿翁の実子、個性派俳優香川照之が黄緑の着ぐるみを着て「カマキリ先生」をやっている。こんな仕事をしていたとは知らなかった。幻の水生昆虫タガメを探しに捜査一課長としてロケに出る、モンシロチョウの羽の大きさを人間に換算して取り付けクレーンで実際に飛ぶ等、本気の遊び感覚が絶妙に面白い。元日編はマレーシアのロケ。昆虫や爬虫類好き女子だった筆者は、腕ほどの巨大ナナフシを興味深く見た。着ぐるみ姿でジャングルを14時間も精力的に歩き、「虫は本気で生きてんだよ」と、ピクピク動く虫を触って命をじかに感じることが子ども達に必要と熱く訴える香川氏。昆虫もすごいが香川照之もすごいなと思って見ていた◆もう一つはTBS系深夜番組「クレイジージャーニー」。ジャニーズ事務所のタレント滝沢秀明がバヌアツ共和国ベンボウ火山のマグマに最接近する。アイドルという認識しかなかったが彼は火山探検家としてキャリアがあり、過酷さにスタッフがへばっても苛立ちなど一切見せず、優しく辛抱強く説明しては作業を率先して行う。到達した目的地は煮えたぎるマグマの80㍍手前。「地球が生きてるって分かります」とマグマに対峙する、その姿はもはやアイドルではなかった◆情熱を抱いて行動する人間の姿は見る人を無条件に引きつける。テレビに限らず、身近な所でも今までいろんな分野で情熱を燃やす人に出会ってきた。ことしもそんな人々に取材する機会に恵まれたら、できる限りその熱を伝えたいとあらためて思った。 (里)

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