みなべ町の小谷芳正町長は28日に役場で行われた仕事納め式で、今月15日に開かれた定例議会で吉本正二副町長(62)=晩稲=の選任案件が否決された件にについて説明。「私自身の不徳」としたうえで「否決に対する責任は議会が負っている。どのような考え方に基づいて否決したのかを明らかにする必要がある」などと述べた。
定例議会本会議で副町長の選任案件が提案され、記名式投票で採決を行った結果、賛成6人、反対7人で否決した。吉本氏は今月31日に任期が満了し、退任する。
仕事納め式の前には吉本氏の退任式が行われ、小谷町長は「4年前に私の方から『どうしてもあなたの力が必要なので副町長としてお願いしたい』と言っておきながら、今回のような結果になってしまったことをお詫びしたい」とし、「インフラ整備などハード面を担当され、縦割り行政から横断的に各課を取りまとめられた」などと功績を紹介した。吉本氏は退任あいさつで「これまでご指導いただいた小谷町長や職員の皆さんには感謝の気持ちしかない。快適なまちづくりに向けて職員が一丸となって取り組んでもらいたい」と述べ、職員から花束が贈られた。
続く仕事納め式では小谷町長があいさつでことし1年を振り返り、副町長の選任が否決されたことに触れて「私自身の不徳の致すところ。真摯に受け止めて今後のまちづくりを進めていきたい」とし、「議会では反対討論もないまま不同意となった。どういう考え方で否決したのかを、合議制の代表である議会は有権者に明らかにする必要がある。町民からいろんな話が出てくると思うが、職員の皆さんは動揺することなく、事務の執行に当たってもらいたい」と述べた。
反対派議員は取材に対し、否決の理由について防災広場の整備事業(東吉田)の工事の遅れなどを挙げているが、住民からは「反対した理由がはっきり分からない」という声も聞かれている。
吉本氏は1974年4月に旧南部川村職員となり、副町長の4年間と合わせて44年間にわたって行政に携わった。