「本当に」で変わる心理

 週刊誌で大相撲の日馬富士問題についてのメルマガ読者緊急アンケートが行われたとのネットニュースを見た。「本当に悪いのは誰だ?」の質問に寄せられた1000通以上の回答で1位になったのは白鵬。2位は加害者の日馬富士、3位は貴乃花親方だった。このアンケートで気になったのが「本当に」。これがあるのとないのでは、かなり結果が変わってくるように感じる。
 広辞苑で「本当」の意味を調べると、「偽りや見せかけでなく、真実・実際であること。まこと。ほんと」などと記されている。「悪いのは誰だ?」と問われると、実際に暴行した日馬富士と回答すると思うのだが、「本当に」と付けられると念を押されているような気持ちになり、いるかどうか分からない「真犯人」(真実)を無意識で探してしまう。この問題は明らかになっていない部分も多く、加害者以外に黒幕がいるかもしれない、それに迫りたいという心理が働くのかもしれない。
 上司に何か提案するとき、自分が通したい案だけでなく、少し出来の悪い案を一緒に出すようにすれば、自分に有利な案が認められる可能性を高められるという。相手の心理を操れれば、思う方向へ物事を進められる。
 以前、テレビで見たのだが、知性的なツッコミ役と、いつも爆笑を誘うボケ役のお笑いコンビについて、「頭がいいのはどっち?」と質問すると、やはり賢そうなツッコミ役が圧倒的に多い。ところが、「本当に…」と付け加えると、意外とボケ役を支持する人が増える。人間の心理は、変わりやすく曖昧なもの。大相撲のアンケートに悪意などないだろうが、情報は印象操作に悪用される場合もあり、とくに注意が必要とあらためて思う。    (賀)

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