紀州鉄道 枕木のコンクリート化進む

 御坊市の紀州鉄道は、乗客の安全性を高めるため、本年度から線路の枕木のコンクリート(PC)化に取り組んでいる。10月中旬から学門駅を中心に初年度分の379㍍区間で工事に取り掛かり、このほど完成した。PC化で脱線の原因となるレール幅の広がりなどが解消され、揺れも少なくなるのが大きな特長で、将来的には全線で導入する考えだ。
 紀州鉄道ではことし1月22日、湯川町小松原地内、北裏病院西にある湯川第2踏切南側で、JR御坊駅発西御坊駅行きの車両が線路から脱輪する脱線事故が発生。その後の調査で老朽化等により脱線箇所のレール幅が広がっていたことが原因だと分かった。事故を教訓により安全性を高めていこうと、JRなどでも少しずつ進めているPC化を紀州鉄道でも導入していくことにした。
 まず取り掛かったのは、学生たちの利用が多く、レールに負担がかかるカーブにもなっている学門駅周辺。運行のない夜間に少しずつ進め、11月中に完了した。木の枕木の耐用年数は約10年で、周りの環境によってはもっと短くなる個所もあるが、PC化することによって交換の必要はほとんどなくなり、ランニングコスト削減につながる。現在はPCと木の枕木が交互に入っている状態だが、PCの方が間隔を広く取れるため、木の枕木の交換時期がきても取り除くだけで、新しく入れる必要はない。PC化でレール幅の伸縮がなくなり、乗客の安全が確保されるほか、レールとの間にゴムのクッションが入っており、揺れや音が軽減されるため、快適な乗り心地となるメリットもある。
 紀州鉄道は総延長2・7㌔で、今回の工事で全体の14%がPCとなった。来年度以降もカーブを中心に進めていくことにしており、将来的にはすべて更新する計画。同鉄道は「脱線事故を教訓に安全性を一層高め、地域から親しまれる鉄道をこれからも目指していきたい」と話している。

関連記事

フォトニュース

  1. 人に寄り添う看護師に

写真集

戦争体験者に聞く 終わらざる夏

  1. 乳飲み子抱え上海から引き揚げ 御坊市島に暮らす98歳の嘉美(よしみ)さんは、1921年(大正1…
  2. 34年前、活字にならなかった一冊の本 活字の本として出版されることのなかった、一冊の戦争体験集…
  3. 船団護衛の海防艦で南方へ 1923年(大正12)8月19日、夏目英一さん(95)は日高郡旧野口…
  4. 千人針と250人分の寄せ書き発見 「あれ、これは何やろ」 1999年(平成11)8月、母の薫(か…
  5. 飛行兵志願も母が反対 小瀬輔造さん(89)は1930年(昭和5)1月7日、日高川町…

日高地方などのイベント情報

  1. 日高町クエ・フェア

    10月 19 @ 11:00 AM
  2. いなみまめダムマラソン

    11月 3 @ 8:00 AM

Twitter

書籍レビュー

  1.  「バイバイ、ブラックバード」を読むと、原典に当たる太宰治の「グッド・バイ」が読みたくなったので、文…
  2.  作者の生まれは明治18年。明治45年に執筆され、初版は大正10年とかなり古いですが、繊細な描写が特…
  3.  6月19日は桜桃忌。芥川龍之介の河童忌、司馬遼太郎の菜の花忌ほど有名ではありませんが、太宰治の命日…
  4.  銀行に7年間勤務した経験を持ち、「半沢直樹」「陸王」「ルーズヴェルト・ゲーム」など人気ドラマの原作…
  5.  幅が狭く、カーブが続き、前から車がくればすれ違うこともできず、一つ間違えば谷底に転落してしまう…。…
ページ上部へ戻る