「陸王」にはまる

 テレビの日曜劇場「陸王」が面白い。テレビ局の内容紹介などによると、埼玉県行田市にある老舗足袋業者「こはぜ屋」の4代目社長・宮沢紘一は、日々、資金繰りに頭を抱える中、会社存続のために新規事業を発案。足袋製造の技術を生かし、「裸足感覚」を追求したランニングシューズ「陸王」の開発に乗り出す。世界的なスポーツブランドとの厳しい競争、資金難、素材探しとさまざまな困難に直面しながら、従業員20人の地方零細企業がそれを乗り越えていくストーリーが展開されている。池井戸潤著の「陸王」が原作。社長役の役所広司はじめ、出演者の演技もいい。
 社長の安易とも思える発案で始まった新規事業だが、事業へかける情熱で周囲の人たちをどんどん巻き込んでいき、巻き込んだ人たちとの絆も強めていく。伝統を守るため事業に乗り気でない幹部、就職活動に忙しい息子、過去に事業に失敗している技術者らと立場の違う集団だが、「陸王」で一つになり、開発を進める。少し古くさい人間模様の描き方とも感じるが、とにかく「情熱」と「目標」で人は真剣に、がむしゃらに動くことができるのだと思わせてくれる。
 好きな野球に例えれば「陸王」は「甲子園」のようなものだろうか。高校球児にとっては明確な目標であり、指導者やリーダー的な選手の情熱はチームを成長させるための原動力になる。公立校では一人一人、野球に取り組む姿勢にばらつきがあっても、最後の夏の大会へ絆を強くし、一致団結するものだ。
 現実の社会では、ドラマのような社長、会社などはほとんど存在しないと多くの視聴者は感じているだろう。ドラマのヒットは、ないもの欲しさが大きいのかもしれない。(賀)

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