金剛禅総本山少林寺南部道院がことし創立50周年を迎え、25日にみなべ町の紀州南部ロイヤルホテルで記念式典が行われた。少林寺拳法の道場として世界的、全国的に活躍する拳士を育てているほか、社会に役立つ人づくりでも功績を残している。式には関係者ら約90人が出席し、今後のさらなる発展を願った。
南部道院は1967年に田辺市在住の稲沢勝男氏らが設立し、稲沢氏が初代道院長に就任。70年から現在の三前雅信氏が道院長を受け継いだ。各種大会で優秀な成績を残し、2009年に香川県で開催された全国大会で女子団体が優勝、13年には大阪で開かれた世界大会で中学男子団体が優勝を飾った。ことしに入ってからも、7月にアメリカで開催された世界大会で小西悠介選手が優勝したほか、8月の全国錬成大会で最優秀演武の3組のうち2組が南部道院生となった。各界で活躍するリーダーも輩出しており、紀州梅の郷救助隊を立ち上げた尾﨑剛通氏は南部道院の副道院長。上南部中学校と高城中学校では授業で少林寺拳法を取り入れ、道院生が技や精神を指導している。
式典では三前道院長があいさつで設立当時を振り返り、「少林寺拳法の原点を見つめ、青少年育成と道院の発展に向けて努めていきたい」と述べた。小谷芳正町長、県少林寺拳法連盟の森下正紀会長、豊田泰猛教育長も祝辞して活躍を期待した。堀口敏寿拳士と竹中恵介拳士の2人が奉納演武を披露したほか、50年の歩みがDVDで紹介された。