危険業務従事社叙勲に日高地方から2氏

 著しく危険性の高い業務において精励した人をたたえる第29回危険業務従事者叙勲の受章者が決まり、県内から元警察官や消防隊員ら27人が選ばれた。日高地方からは元県警警視正の竹中利雄さん(70)=印南町古屋=、同じく元県警警部の若野孝さん(70)=美浜町和田=が瑞宝双光章を受章。11月に各省庁や県庁で伝達、東京で拝謁が行われる。
 中津村(現日高川町)高津尾出身で、1965年4月に警察官となり、和歌山東署員から07年3月、交通機動隊長で退職するまで42年間にわたり勤務。公安畑で治安維持に尽力し、警備部公安課次席を務めたほか、白浜署の次長や和歌山北署の副署長を歴任した

 公安課時代の93年11月に白浜、94年3月にすさみで中国人集団密入国が発生。いずれも100人以上が一斉検挙されるという大事件に携わった。すさみの事件では取り調べを指揮。通訳を確保し、時間との戦いとなるなか不眠不休で、全員を送致できたのが印象に残っている。和歌山北署の副署長だった04年には児童被害の防止や街頭犯罪の抑止へ、同署管内の松江地区で県内初の自主防犯パトロール隊が発足。マスコミに大々的にアピールした覚えがあり、同様の活動が県内に広がっている状況をうれしく思っているという。
 退職を機に、妻・頼子さんの実家へ引っ越し。社会貢献と恩返しのため6年ほど前から、有志で「きのくに支援機構」を立ち上げ、福祉施設への寄付を行っている。受章に「上司、同僚らのおかげ。それに住民の協力なくして犯人検挙や犯罪抑止はできなかったと思います。これからも少しでも社会の役に立てれば」。
 1966年4月に警察官となり、白浜署員から08年3月、警備部公安課係長で退職するまで42年間にわたり勤務。「県民の安全安心」を第一に、うち28年間を災害対策、皇族の警衛、要人の警護や外国人犯罪の取り締まりといった任を担う警備部で過ごした。
 公安課時代の93年11月に白浜、94年3月にすさみと2度、100人以上の中国人集団密入国事件が発生。いずれも捜査員の一員として参加し、すさみの事件では2日2晩にわたり、不眠不休で張り込みを行った。上陸があったのは深夜から未明にかけて。密航者を乗せた車を一網打尽にした。その後、取り調べのため県内の各署を回ったが、外国人相手に悪戦苦闘。通訳を介するためダイレクトな意思疎通が図れず、歯がゆい思いをした経験は忘れられない。このほか、皇族警衛の任務には特別な思いがあり、「何かあればマイナス、何もないのが当たり前」で、神経を使い大変だったと振り返る。
 03年に帰郷し、退職後は地域安全活動に協力。受章に「とてもありがたいこと。先輩や後輩、同僚ら多くの仲間に恵まれたおかげです。もちろん家族にも感謝。今後もこれまでの経験を生かし、少しでも地域に貢献できれば」と話している。

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