受動喫煙対策は急務

 20年ほど前、記者になりたての頃はまだパソコンどころかワープロも普及しておらず、原稿用紙に手書きしていた。鉛筆を持ちながら、人差し指と中指の間には常にたばこをはさみ、吸いながらでないと頭が働かないといわんばかりに煙を吐きながら記事を書いていたのが懐かしい。ヘビースモーカーだった筆者が禁煙に成功してちょうど8年になる。きっかけは同じくヘビースモーカーだった父親が肺がんを患ったこと。父からのメッセージだと勝手に受け止めてのことだった。健康もさることながら、1箱の値段を聞いて、禁煙しておいてよかったとつくづく思う。
 8年前にはあまり聞かれなかった受動喫煙防止という言葉が盛んにいわれている。火のついたたばこの先から立ち上る副流煙を吸い込んでしまうことをいう。副流煙は、直接吸い込む主流煙に比べてニコチンは2・8倍、タールは3・4倍、一酸化炭素は4・7倍も含まれ、たばこを吸っている人よりも周りの人の方が病気になってしまうことが大きな問題となっている。肺がん、虚血性心疾患、脳卒中などのリスクは確実に上がることが研究で明らかになっている。
 国立がん研究センターの28年発表では、受動喫煙を受けなければがん等で死亡しなくて済んだと推計される人は1年間で1万5000人に上るとされている。交通死者の約4倍だ。対策が必要なのは当然だろう。ルールとマナーを守る多くの愛煙者には肩身の狭い話だが、吸う人と吸わない人が共存していくためにも受動喫煙防止は重要なこと。御坊保健所管内の肺がん死亡率は全国でもかなり高いという。有効な対策を、吸う人と吸わない人が一緒に考える機会が必要だ。     (片)

関連記事

フォトニュース

  1. まちづくりって難しい?

写真集

戦争体験者に聞く 終わらざる夏

  1. 乳飲み子抱え上海から引き揚げ 御坊市島に暮らす98歳の嘉美(よしみ)さんは、1921年(大正1…
  2. 34年前、活字にならなかった一冊の本 活字の本として出版されることのなかった、一冊の戦争体験集…
  3. 船団護衛の海防艦で南方へ 1923年(大正12)8月19日、夏目英一さん(95)は日高郡旧野口…
  4. 千人針と250人分の寄せ書き発見 「あれ、これは何やろ」 1999年(平成11)8月、母の薫(か…
  5. 飛行兵志願も母が反対 小瀬輔造さん(89)は1930年(昭和5)1月7日、日高川町…

日高地方などのイベント情報

現在予定されているイベントはありません。

Twitter

書籍レビュー

  1.  「バイバイ、ブラックバード」を読むと、原典に当たる太宰治の「グッド・バイ」が読みたくなったので、文…
  2.  作者の生まれは明治18年。明治45年に執筆され、初版は大正10年とかなり古いですが、繊細な描写が特…
  3.  6月19日は桜桃忌。芥川龍之介の河童忌、司馬遼太郎の菜の花忌ほど有名ではありませんが、太宰治の命日…
  4.  銀行に7年間勤務した経験を持ち、「半沢直樹」「陸王」「ルーズヴェルト・ゲーム」など人気ドラマの原作…
  5.  幅が狭く、カーブが続き、前から車がくればすれ違うこともできず、一つ間違えば谷底に転落してしまう…。…
ページ上部へ戻る