待ったなしの国難に目を

 女性政治家が秘書への暴言・暴行を週刊誌に暴かれ、離党したのはもういつのことだったか。あの凄まじい二面性には驚きを通り越し笑ってしまったが、為政者と呼ばれる人たちは総じて、似たり寄ったりか。
 安倍首相は今回の解散総選挙で、生産性革命と人づくり革命、高等教育の無償化、消費税の使途の変更、北朝鮮問題への対応――などを争点にしたいという。いまいちピンとこないが、やはり本音は安全保障。憲法九条の改正こそが最大の狙いであろう。
 最大野党の民進党は前の代表時代からすでに死に体。国会で首相を激しく批判し続けた勢いはどこへやら、名を捨てて実をとるとは聞こえはいいが、政党として丸ごと主張を放り投げ、なりふり構わず身を売った。フリの効いたボケは「このハゲ~!」以上に面白い。
 安倍首相が放った解散バズーカにより、沈む船から逃げ出すネズミのごとく、民進党からの離党が続出。小池都知事は満を持して党を立ち上げたがヒトもカネもなく、カネはあるが行き場がない難民議員を抱える前原氏と利害が見事に一致した。
 安倍首相は拉致問題の解決、北方領土の前進、憲法九条改正の3つを政治家としての使命としており、なかでも最も現実味のある憲法改正は最大の悲願。かたや小池氏も女性初の宰相の座を引き寄せつつあるが、憲法改正にどこまで踏み込む気があるのか、さらにどのタイミングでいかに体よく都知事を辞め、立候補を表明するか。
 10日の公示まで、どちらにどんなスキャンダルが飛び出すかわからない。メディアは小池氏と周りの右往左往を話題にするのもたいがいにして、待ったなしの国難に目を向け、最大の焦点を明確にしなければならない。    (静)

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