6年前の教訓を生かせ

 平成23年9月3日から4日にかけて日高地方をはじめ和歌山、奈良を襲った台風12号豪雨災害からもう6年が経過した。日高川の氾濫や土砂崩れでみなべ町を含む日高地方で死者4人、行方不明者1人、多数の家屋流出や床上・下浸水の甚大な被害が出た光景はいまでもはっきりと目に焼き付いている。記者になって20年の中で最も大きな、最も衝撃を受けた出来事であった。ダムがあるから水害なんて起こらない、そんな考えも覆された、想定外の災害だったともいえるだろう。想定外を経験した以上、これからは想定外という言葉は使えない。
 6年の間に復旧、復興は進み、特に日高川町入野地区では川幅を広げた新しい堤防が完成した。一方で、決壊などの被害はぎりぎり免れた下流域、とくに御坊市藤田町藤井地区では対策はまだまだ進んでいない。もしも6年前と同じような雨が降れば、川幅が広がりキャパが増した上流から流れる水量を下流域は流下することができるのかと心配する声は多い。河床の堆積土砂も増える一方で、キャパは増えるどころか水害前よりも衰えている。「河床を1㍍しゅんせつすれば、堤防を1㍍高くするのと同じ」と早急な対策を望む住民の声が大きくなるのも当然だ。
 雨の降り方が年々激しくなっているのは明らか。6年前のような雨はいつ降ってもおかしくない。再び日高川が決壊するようなことになっては、教訓は生かされなかったということになる。県は日高川水系河川整備計画を策定するなど少しずつ対策を前へ進めているが、大雨が降るたびに不安を抱いている住民をどう安心させるのか。具体的に示し、スピーディーな取り組みをお願いしたい。        (片)

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