日本列島を縦断した台風18号は17日夜、和歌山に最接近し、日高地方では由良町で28歳の男性が大けがをしたほか、停電が発生。被害が出るなか、美浜町では水路にはまった犬が無事に救出された。
和歌山地方気象台によると、和歌山県では17日午後7時ごろから風速25㍍以上の暴風域に入り始め、9時ごろ最も接近。翌18日午前0時ごろ暴風域を抜けた。雨は前線や台風の外側の雲がかかり始めた16日未明から降り始め、南部を中心に300㍉を超える雨量を観測。風は最接近のころに和歌山市の友ヶ島で最大瞬間風速44・7㍍を記録した。
県によると、台風の通過で由良町では17日午後10時ごろ、和歌山市の男性が大引の白崎海洋公園で転倒。左足を骨折した。自動販売機で飲み物を買おうとしたところ、波をかぶって足をとられたとみられている。田辺市龍神村では消防団龍神支団中山路分団の車庫シャッターが強風で壊れる被害が出たほか、みなべ町では堺の国道42号沿いで電柱2本と信号柱1本が倒れ、町内の約3020軒が停電。県内全体では御坊350軒、美浜1860軒、日高2470軒、由良1670軒、日高川200軒を含めて18市町合わせて2万4650軒で停電が発生した。
翌18日朝には美浜町和田で、農業の60歳男性が水路にはまった犬を発見。救出し、無事に飼い主の元に帰された。現場は県道御坊由良線御倉橋から東約200㍍の水路で、午前6時30分ごろ、田んぼの様子を見に来た男性が幅約1・5㍍、水かさ0・3㍍ほどの水路にはまっている黒い犬を発見。すぐに助け出した。連絡を受けて駆けつけた町職員が一時保護。飼い主が見つかり、引き渡された。