日高附属中で古久保さんがB29の墜落語る

 日高高校附属中学校(池田尚弘校長)の1年生は8日、平和学習を行い、戦争講演を聴いた。
 講師は田辺市龍神村の元中学校長、古久保健さん(79)。「平和を願って」をテーマに、幼いころ米軍爆撃機B29の墜落に遭遇したことから始まる貴重な経験を語った。
 古久保さんは「昭和20年5月5日、自宅近くの裏山にB29が墜落し、乗組員7人が死亡。4人がパラシュートで脱出し、大阪の憲兵施設に送られた」と経過を説明。「機体は3つに分解し、青い空にものすごい音が響いた。小学2年生だった自分は現場に駆けつけ、『敵だ』と教えられていたアメリカ兵に石を投げたが、その感触が今も手に残っている」と回想した。
 古久保さんの父は日華事変で戦死しており、足跡を訪ねて中国に行った経験から「残された家族の思いは日本人もアメリカ人も同じ。あの時の米兵の遺族を探したい」と思うようになった。その後、遺族の1人が判明し、2013年に訪問のため渡米。遺族のエリザベス・クロークさんと対面した。その模様を含めて収録した大阪芸術大学映像学科学生のドキュメンタリー映画「轟音―龍神村物語―」を上映。墜落を目の当たりにした住民らの証言、古久保さんとエリザベスさんの対面の模様を収めた映像に生徒は真剣に見入った。
 古久保さんは「『戦争は二度と起こしてはいけない』と口ではいくらでも言えるが、一人一人がきちんと平和を求める心を持っていなければ本当に防ぐことはできない。私は皆さんに、命を大切にする人間になるようしっかり学んでほしい」と熱を込めて語った。

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