民間災害ボランティア団体「紀州梅の郷救助隊」(尾崎剛通隊長)は15日から17日まで豪雨で甚大な被害が発生した福岡県の東峰村に入り、復旧支援作業を行った。隊員ら7人が出動。現地では厳しい暑さの中、民家に流入した土砂の撤去に汗を流した。隊員らは「今回は九州だったが、災害はどこで起こるか分からない。人ごとではない」とあらためて水害の怖さを認識していた。
みなべ町、日高川町、上富田町の隊員らが参加。14日午後5時過ぎにみなべ町役場で荷物の積み込み作業を済ませマイクロバスで出発、翌朝の午前7時過ぎに現地に到着した。一行はボランティアセンターで手続きを済ませたあと、救助隊の隊員とつながりがある被災者宅に入った。豪雨のため山から流れ込んだ土砂で床下まで埋まっており、隊員7人と家人4人で土砂の除去作業に当たった。手作業でスコップを使ってかき出していき、家の外では重機を使って土砂を撤去した。翌16日は終日、17日は昼まで続けた。みなべ町内の梅干し生産や防災関係の各団体から受け取った個包装の梅干し1000個などをボランティアセンター、東峰役場、地元の住民らに配った。
隊員は、「地元の住民からは『こんな水害は初めて』という話を聞いた。作業に入った地域は10軒ほどの集落だったが、山からの土石流で地域一帯が被害を受けていた」と話し、「今回入った現場は近くに大きな川がない場所だった。水害の被害はどこで発生するか分からない」と注意を呼びかけていた。
梅の郷救助隊は、阪神大震災が発生した平成7年の12月に発足した。これまでにも中越地震(16年)、能登半島地震(19年)、作用町水害(21年)、奄美大島集中豪雨(22年)、東日本大震災(23年)、紀伊半島水害(同)などで出動している。