認知症支援施策が全国先進地の御坊市が、10日に発売された総合月刊誌「文藝春秋」8月号に掲載された。市が取り組んでいる認知症本人サミット、スターチスを認知症支援のシンボルにするオリジナルの活動のほか、認知症支援の取り組みを始めたきっかけなどを3㌻にわたって紹介。文中では「御坊市はいま全国の注目を浴びている」と高く評価されている。
文藝春秋は大正12年に創刊され、発行部数44万部以上を誇る日本有数の総合月刊誌。
8月号では、同誌が認知症をテーマに予防や治療、本人の体験談など約70㌻で特集しており、御坊市は自治体の取り組みを紹介したコーナーで登場。「認知症で町おこしをする自治体」として御坊市、新潟県湯沢町、鳥取県米子市の3市町の事例を掲載している。
御坊市は3㌻分あり、ことし4月に京都で開かれた国際アルツハイマー病協会国際会議の会場の一角でスターチスと花言葉を記したカードを配布し、認知症支援のシンボルとしてPRしていること、介護家族の交流勉強会「ごぼうホットサロン」、認知症疾患医療センターの協力で「もの忘れ相談会」などを開催していることを記し、「全国から注目を浴びている」と説明。認知症支援に取り組みを始めたきっかけとなった、藤田地区の89歳男性との出会いや、男性を支援する中で立ち消えになっていた地域住民の親睦の集いが復活したこと、住民のつながりが生まれたことなどが分かりやすく紹介されている。取材を受けた市介護福祉課の田中孝典課長や谷口泰之副主任のコメントも載っている。田中課長は「取り組みを全国に発信していただきありがたい。これをきっかけに全国の市町と新たなつながりができることを期待しています。今後も認知症の本人が活躍できるまちづくりに努めていきたい」と話している。